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野外で汗流し交流――聖南西地区日本語学校9校――=初の低学年デイキャンプ

5月26日(木)

 聖南西地区日本語学校の初めての低学年デイキャンプが去る十四日、コロニア・ピニャール文協グランドで行われ、九歳から十二歳までの百五人(九校)の児童生徒が参加し、楽しくためになる一日を過ごした。
 生徒同士の交流に力を入れている聖南西地区では、高学年では林間学校や青空スポーツといった行事がすでにあるが、今年から新しくこの低学年デイキャンプ始めた。目的は、ゲームやスポーツを中心としたプログラムで生徒同士の交流を図るだけでなく、日本語使用環境の提供や団体行動を身につけさせるなど、普段の日本語学校にはない経験をさせ、学校での楽しい思い出を作ってもらうこと。
 天気も良く朝から汗ばむ陽気の中、午前九時半に開始。コロニア・ピニャールモデル校の広瀬義夫運営委員長が、「今日のいい天気は、皆さんが普段いい子にして日本語の勉強を頑張っているご褒美でしょう」と挨拶。次に聖南西教育研究会会長の渡辺久洋教師より、「今日は他の学校の友達をたくさん作って、楽しい一日にしましょう」と呼びかけた。
 午前中はコロニア・ピニャールの自然に囲まれた広いグランドをいっぱいに使い、鬼ごっこやドッチボ―ル大会などを行い、子供達は汗をかきながらグランドを駆け回っていた。
 昼食後は、グランドでのスポーツから一転して、室内活動。まず、昔から子供に親しまれている紙芝居。
 三つの話を用意し、子供は好きな話の紙芝居の所に行き、教師たちの話す紙芝居を聞き入っていた。そして、読書の時間。ここの青年図書館は、日本語の図書館としては南米最大としてその名を知られており、それを多いに活用した。読書とは言っても、子供達が足を向けたのはやはりマンガの書棚。初めて訪れた子供も多く、その多さに驚きながらもそれぞれ好みのマンガを手に取り読み、借りていく子供も多く見られた。進行は時折ポルトガル語の通訳を入れていたが、常時日本語で行った。
 図書館でお腹を満たし日本語に馴染んだ後は、再びグランドへ移動。ピラール・ド・スール日本語学校の教師たちによる体操「馬場体操」をみんなで行い、続いて玉入れやリレーなど運動会で馴染みの競技を行った。炎天下なので途中何度か水飲み休憩を挟みながらも、子供達は最後まで元気に体を動かしていた。
 最後のプログラムは、折り紙。渡辺教師の指導により、紙飛行機を作った。生徒の親に教えてもらったというこの紙飛行機は、通常の紙飛行機とは違い、滞空時間が長く非常に緩やかに飛ぶのが特徴。上手に飛ばすことが出来た子は喜びの声を上げ、うまくいかない子は折りなおしたりと、生徒も教師も紙飛行機作りを楽しみ、宙を飛び交う紙飛行機を眺めていた。
 午後四時に全てのプログラムは終了。暑い中、一日中動き回った子供達は疲れた様子も見せず、「とても楽しかった」「来年も参加したい」という声が上がり、多いに楽しんだ。

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