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「15万人の礎」の慰霊=沖縄県人会=移民97周年追悼法要

6月22日(水)

 ブラジル沖縄県人会(与儀昭雄会長)主催の「移民九十七周年記念開拓先亡者追悼慰霊法要」が十九日午後三時から、同県人会館ホールで行なわれた。今年十一回目となる同県人会の慰霊法要。当日は約百二十人が会場を訪れ、県系人十五万人の礎となった先人たちの苦難の日々を思った。
 冒頭、古典音楽協会、古典音楽保存会、筝曲興陽会ブラジル支部、筝曲保存会ブラジル支部の会員による献楽の儀が続く中、献花と献茶。帰国留学生の比嘉エライネさん、留学生の宮城幸恵イレーネさんが白装束に身を包み、先亡者の過去帖が並ぶ祭壇に花とお茶を供えた。
 続いて与儀会長による追悼の辞。会長は風土や習慣、言葉の異なるブラジルで困難に耐え信頼を勝ち得た先人の功績を称え「現在の在伯県系人は十五万人。先人が作り上げた県人会は四十六支部になり、二世、三世、四世が共に沖縄文化の継承に努めています」と先祖の霊に報告。また沖縄県人会とジアデマ市の沖縄文化センターの統合にも触れ、「百周年までにこの二団体の統合が実現できますよう、お力添えください」と述べた。
 笠戸丸移民七百八十一人のうち、沖縄県出身者は三百二十五人を占める。この日の法要では、笠戸丸移民を祖父に持つ三世の与那嶺ルーベンスさんも追悼の辞を読み上げた。与那嶺さんは「団結と協同、先祖への尊敬など、先駆者から引き継がれてきたウチナンチュの精神は、私たちにとって大きな財産です」と述べ、沖縄県系人コミュニティの礎となった先人へ敬意を表した。
 曹洞宗南米別院仏心寺の采川道昭師による読経の中、出席者が焼香。法要はつつがなく終了した。

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