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救済会在宅介護講習会=高齢者介護はこうする=高柳医師「面と向かって話せ」=転倒、事前に防ごう 諸橋療法士「不均衡な椅子はダメ」

6月29日(水)

 老人ホーム、憩の園を運営する救済会(左近寿一会長)は二十四日午後、聖市リベルダーデ区の文協ビル貴賓室で、在宅介護を支援するための講習会サイクルを実施した。高柳ジャケリーネ老人病専門医が「家庭内高齢者介護」、理学療法士の諸橋タチアーネさんが「転倒を防ぐ」をテーマに、ノウハウを伝授。約八十人が耳を傾けた。
 「高齢者と家族の意思疎通が困難になり、家庭が崩壊してしまう恐れがある」。高柳さんは、警鐘を鳴らした。
 注意を引こうと「手が震える」、「気分が悪い」などと、お年寄りは一見わがままなことを言う。世話をするのは、毎日のことなので精神的な負担が大きい。 「家族の誰かが、犠牲になる。夫婦、親子喧嘩の原因になり、家族との絆が崩れてしまう」。
 コミュニケーションをうまくとる方法として、高柳医師は(1)面と向かって話す(2)短いセンテンスを使う(3)相手に、十分答える時間を与える──ことなどを挙げた。
 加齢とともに、老化が進むのは避けられない。「八十歳になれば、八十年間骨を動かしていることになるので、慢性の痛みが起こってくるのは仕方がない」。
 高齢者は平均、日に四種類の薬を服用。老人ホームに入居している人が、家族のもとに一時的に戻った時、医薬品の多さに驚くことがある。高柳医師によると、健康長寿を保つにはきちんと飲むべきだという。
 トイレが近くなるも、高齢者の特徴だ。「外出は、休憩場所やトイレの有無などを考えてから計画すること」とアドバイスした。注意力や記憶力が落ちても、もちろん感情は豊か。同医師は「人間としての扱いをしてほしい」と訴えた。
 高齢者は転倒しやすい。諸橋さんによると、よく転ぶ場面は(1)不均衡な形で椅子に座っている(2)高いところにあるものをとる(3)一方向に傾いて、地面に落ちたものをとる──時など。「九十歳になったら、なかなか回復しない」。つまり、事前に防ぐことが重要になる。
 例えば肉親が高齢者宅を訪れた時に、部屋を片付けることがある。お年寄りはその後探し物が見つからず、台を置き、高い棚に手を伸ばして転んでしまう。
 諸橋さんは「高齢者は世話されるのを嫌がることもある。ある程度自立した生活を促すことも大切」と話す。
 転倒を防止するには、絨毯を避けることなど室内の環境改善として並行して、運動を続けるのが有効だ。お年寄りは、恥ずかしがって、運動歴を隠すことが少なくない。そのため、事前によく話し合って、本人の能力に合うプログラムを組むべきだという。
 講習会の二回目は三十日午後三時から、文協貴賓室で。講師は前田ルジア・アレイショさん(看護婦)、西島エヂナかずえさん(栄養士)。

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