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日系「要介護施設」入居順番待ち 「あけぼの」「憩の園」=現状、きわめて深刻=言葉、習慣の違いから=非日系施設に回せぬ

7月14日(木)

 日系老人ホームで、要介護施設入居の順番待ちが深刻化している。援協傘下のあけぼのホーム(岸眞司郎ホーム長)は二月カ以上、救済会(左近寿一会長)の運営する憩の園は満床である上、半介護棟の入居者が後に控えている。日本人入居者の場合、言葉や習慣の違いから非日系人施設に回すのは、かなり困難だ。日系人家庭は高齢者介護をぎりぎりまで我慢する傾向があり、福祉団体に相談を持ち込むのは最後の手段。関係者たちは対応に、頭を痛めている様子だ。
 ある日本人女性(97、広島県出身)の肉親が、援協福祉部に駆け込んできた。この女性は一人暮らし。骨粗しょう症が原因で二十年前に歩行困難になった。車椅子を使用。非日系人の家事手伝いを雇い、生活を支えてもらっている。
 ポルトガル語には、不自由しなかった。最近、認知症が進行。ふいと日本語が出てくるようになり、「水が欲しい」とポルトガル語で言えなくなった。
 子供は六人おり、毎日食事を持っていくなどしている。六十三歳~七十一歳で、いずれも定年退職者。介護するのは無理だと判断し、特別養護老人施設、あけぼのホームへの入所を希望した。
 しかし、同ホームには約五十人が入居。満床に近い上に現在改築中で、入居するには最低二カ月かかるという。平野アリッセ前福祉部長は「入れてあげたいんだけど……」と表情を曇らせる。
 緊急の場合、ヴィラ・マリアーナ区やイピランガ区などにある非日系人の施設を紹介することになっている。「日本語が通じないのが、問題なのですよ」。肉親らは早急に解決したいところだが、まだ結論を出していないという。
 「同じような内容の電話が毎日二件入る。ほとんどが、要介護棟を希望しています」。
 憩の園の要介護棟(マルガリーダ館)には、常勤の医師がいない。そのため、暴力的になるなど老人性精神障害のあるお年寄りは、入所出来ないという。
 定員は六十人だが、五十二、三人が限度。高齢化などから、回転率が低い。半介護棟の入居者が待機。空きが出ても、いきなり要介護棟に入るのは難しい。
 吉安園子前救済会事務局長は「出来るだけ家でみたいという人が圧倒的。介護疲れで、どうしようもなくなって相談に来る。半介護棟は、空いているんですけど……」と言う。
 いくら場所をつくっても回転率が改善されないなら、すぐに満床になり元の木阿弥になってしまう。
 吉安さんは「在宅介護を整備していかないとダメ。あとは予防医学を重視して要介護にならないように、生活習慣に気をつけることが大事じゃないですか」と話している。

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