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岐阜から農業高校生=28回目の実習派遣=県人移住者の協力で

2005年7月22日(金)

 岐阜県教育委員会が「農業高校生海外実習派遣団」(嵯峨崎義朗団長)として派遣した高校三年生十人が十六日からブラジルに滞在している。一行は二十九日までサンパウロ、パラナ両州などの農業協同組合や農場を視察後、ミナス州ジャナウーバの山田農場では体験学習も行う。
 この制度は今年で二十八回目。期間は短いが、スケジュールにはそれぞれの生徒が希望する見学場所が盛り込まれており毎年変わるという。県出身移住者の協力で実現するもの。
 岐阜県人会の山田彦治会長は「出身者は決して多くないが、いろいろなところにいて強いつながりがあるからできること、ありがたい」と話す。
 十人は事前研修としてブラジルの歴史や移民史、語学を学び、可児市のブラジル人学校の生徒と交流も。
 派遣団のメンバーは県内の五つの高校で農業に関する勉強をしている。
 水野洋平さん(飛騨高山高校)は「実家では野菜栽培を行っている。環境保全型農業や水資源について学びたい」。また、グリーンツーリズムや観光農業に興味があるという林大樹さん(加茂農林高校)は「ブラジルがどういう農業を実際にしているのか見て、地元で生かしたい。視野を広げたい」と希望を語った。
 研修団は県人会が十七日に行ったヤキソバ会に参加し、県人会関係者らと懇談。日本ではあまり食べない中華風の焼きそばに「野菜がたくさん入っていておいしい」と橋川昌明さん(飛騨高山高校)は笑顔。山川恵美さん(岐阜農林高校)は「まだ日本にいるみたい」と、同郷の先輩の話に耳を傾けた。
 二十九日にブラジルを去る派遣団はオランダへ向かう。チーズ工房や風車の見学、酪農農場や切花農家の訪問。ガーデンセンターやスーパーマーケットでの市場調査などを行い、八月五日、日本に帰国する。

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