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コラム 樹海

 米国ヴァージニア州の一部の公立小学校で、正課で日本語学習がおこなわれていた。近年、それが中国語学習に替えられる傾向があらわれている。中国との「縁」が深まって来たからだそうだ▼企業提携がある。輸入品も増える。日常生活のなかに中国製品がしっかり入り込む。人の交流だって激しくなる。意思疎通をなめらかにするため、中国語が必要になる―こうした流れのなかでの学習者増、学校での採り入れであろう。つづめて言えば、中国の米国におけるプレゼンサ(存在、影響力)が大きくなったということだ▼ブラジルにおいて、日本のプレゼンサが、大きくなりかけた時期があった。七〇年代初めから半ばにかけての企業進出ラッシュの頃だ。しかし、日伯経済関係の疎遠化とともに、十年も経ないうちに勢いがしぼんだ▼日本語学習者の日系人主体傾向は変わらず、近年の非日系人の学習者増は、「日本の国力の存在感」がブラジルで強烈だからではない。日本文化を知りたい、学びたい、そのためにまず言葉を、さらに日本就労対策、といったあたりが、学習の動機であろう。これは歓迎すべき現象には違いない▼さきに聖州、パラナ州の外国語教育プログラムによる熱心な日本語学習者がいることが本紙で紹介された。こうした人たちは今後も途絶えることはあるまい。ただ、日本の国力がブラジルに影響をもたらし、それにともなって、分厚い学習層が形成されることは、現段階では期待できないのが残念だ。(神)

05/7/22

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