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沖縄・小禄の伝統=コシユックイ祭で豊年祈り親睦図る=初開催、立ち見も絆・ルーツ再確認

2005年7月27日(水)

 ブラジル小禄田原字人会(おろくたばる、高良忠清会長)主催の、初めてのコシユックイ祭が二十四日午後、聖市の沖縄県人会ヴィラ・カロン支部会館で開催され、五百人以上が詰めかけ、同地出身者の固い絆を再確認した。午後三時近くから午後六時過ぎまでは琉舞が披露され、県人会の中でも最大規模の団体だけに、立ち見が出るほど会員が押し寄せた。その後は若者中心のバラーダ(ダンス・パーティ)となり、各世代が楽しんだ。
 コシユックイとは「腰休」と書き、腰を休ませるの意。沖縄県那覇市小禄地区に古くから伝わる祭りで、一年間の農作物の五穀豊穣、豊年、子孫繁栄を祈り、腰を休ませながら楽しく親睦を図るもの。
 主催したのは、那覇市内の旧・小禄村に十二字(あざ)あるうちの一つ、田原字からの出身者が集まった字人会だ。約七百家族もの会員がいる全伯団体で、ヴィラ・カロン支部とカーザ・ヴェルジ支部がある。今回の行事は両支部を統括する字人会が主催した。
 先亡者に一分間の黙祷を捧げた後、高良会長(70)が開会のあいさつをし、「うるくんちゅー(小禄人)同士、楽しくお祝いしましょう」と呼びかけ、「二世から五世の若者に伝統を残したい」との想いを語った。
 実行委員長の照屋勲さん(二世)は司会も兼ね、「従来はシッチオで持ち寄りのピクニックをしていたが、このような催しにした方が会員同士の親睦が図れる」と説明した。
 続いて、婦人会代表の与儀マリアさんは、「門中(むんちゅう=親族組織)や屋号などの良い習慣を残すよう努力していきたい」との決意を述べた。
 「ビーバ! 乾杯! かりー!」。そう、同会相談役の高良正一さん(80)は音頭をとり、全員がコップを高々と掲げた。
 あいさつの合間には、城間和枝琉舞道場や具志堅シゲコ琉舞道場の門下生による気合の入った芸能が披露され、会場は熱気に包まれた。
 自らも「うるくんちゅー」に連なる、県人会本部の与儀昭雄会長(二世、那覇市民会会長、県連副会長)は、「沖縄系は全伯に十五万人もいる。我々の伝統を残すためにもこのイベントは非常に重要なものだと思う」と来賓のあいさつで語った。「沖縄コロニアの団結を通して、日系社会の役に立ち、それによってブラジル社会へ貢献しましょう」。
 さらに、九歳で小禄から移住したブラジル日本文化協会の上原幸啓会長(百周年祭典協会理事長)もマイクを持ち、手を小さく振りながら舞台に上がった。「僕のルーツは小禄です。沖縄にいた時にこの祭りに参加した記憶がかすかにあります」と一声。若者たちに「国連で働くことを目指してほしい」と呼びかけつつ、「でもハイース(根っこ)を忘れずに」と語り会場から拍手がわいた。
 「今回は簡単にやるが、九十五周年では、この祭りの独特の踊りも盛大に披露する」と高良会長は夢を膨らませる。同会では〇七年に九十五周年を祝う計画があり、その時に、五穀の神さまである「弥勒」のお面を被った伝統舞踊を初公開する予定。

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