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「日本人より積極的」=謡・仕舞講座熱心な参加者=宝生流の佐野氏ら感心

2005年7月29日(金)

 来伯中の宝生流能楽普及訪問団(佐野萌団長)が二十七日からブラジル日本文化協会で初心者向けの謡・仕舞講座を行っている。
 今回は参加者を日本語のみと限定したため、仕舞が七人、謡が四人と少ないが、熱心に指導を受けている。講座は八月五日までの五回に渡って行なわれる。
 一般向けの講演とデモンストレーションは三十日午後四時から、文協小講堂で(逐次通訳付き)。
 七十年のキャリアを持ち、重要無形文化財の総合指定も受けている佐野氏。弟子の渡部庸一、竹内法子両氏と一緒に指導にあたっている。
 ブラジルは観光を含めて三回目という佐野氏は「教え子の頼みでやむを得ず来ました」と冗談交じりに話しながらも、「こちらの人は日本人よりも積極的で、何でも質問してくれるのでいいですね」と楽しんでいる様子を語った。
 「日本でも敬遠されがちなのでこちらの人に興味を持ってもらうのは嬉しいですね。何か得よう、という気持ちでなく気楽に能を見てもらいたい」
 仕舞の講座では「猩々」の振り付けを指導中だ。酒に酔っ払った男の歩く様子を表現。扇の持ち方や歩き方まで一対一で教えている。佐野氏に東京芸術大学で四年間師事し、今回コーディネーターを務める続木エウザさんは「私たちが大学で教わったより丁寧よ」と練習を見て話した。
 講座に参加している舞台俳優の篠崎マルコスさん(29、2世)は、「学校の先生に能や歌舞伎の話を聞いて興味を持ちました。見るのも初めてだけど、とてもきれいだと思う。これから自分の舞台にも生かしていきたい」と満足な様子。
 造形作家のト上野ミノルさん(40、2世)は「日本の芸術に興味があって参加した。手の動きは日本の哲学を語っているようだ」と初めての能体験についての感想を話し、「先生の動きはとても真似できるものではない」と難しさを語った。
 「猩々」は講座の終わりまでに完成する予定だ。
 また、謡の講座では「桜川」が練習されており、佐野、渡部両氏が指導。基本的な記号の読み方なども丁寧に説明。五日午後三時に文協小講堂で行われる、在伯能楽愛好会発表会で披露する生徒もある。
 講演、発表会について、詳しくは文協事務局11・3208・1755(エリアーナ)まで。

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