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■ひとマチ点描■地道に福祉貢献

2005年8月19日(金)

 日系人の多い町レジストロ市。灯ろう流しや盆踊りなどの行事がすでに風物詩となっている。観光の呼び物ともなっているその華やかな表舞台の傍ら、地道に活動を続ける日系人たちがいる。
 市内にある青少年保護施設(Apoio ao menor esperanca・通称AME)。6歳から18歳までの貧困家庭の子供たち約100人が通い、コーラスやカポエイラ、体操で汗をかき、コンピューターとも触れ合う学び舎。日系の子供は皆無だが、13人の理事のうち、約半数が日系人。00年から会長を務めるのは山村純子さん(57)だ。
 AMEは以前、宗教団体の運営だったが、維持が困難に。保育園での勤務経験や、同市ロータリークラブ婦人会長などを務めたリーダーシップが買われ、山村さんに白羽の矢が立った。
 月に最低限必要な運営費は約7000レアルだが、市からの援助金は3分の1にも満たない。「ビンゴ大会や催しでのヤキソバ販売でなんとか」の状態だ。
 子供たちの楽しみともなっている昼食を提供する食堂は昨年落成した。近隣パリクエラ・アスー市で毎年開かれる「移民祭」に日本食のバンカを出店、2年分の収益が資金となった。
 悩みは、子供たちに指導を行う人材。現在、ほぼボランティアに頼る状態が続いている。「今、大学から研修生を派遣してもらえるようお願いしているんですよ」。地域との関係作りがこれからの課題だ。(剛)

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