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日系農の努力に感銘=兵庫県の農業研修生ら帰国

2005年8月26日(金)

 今年で二十八回目となる兵庫県農業研修生十二名らの歓送会が、十九日午後七時半からサンパウロ市内のレストランで行われた。一人ひとりが研修の感想を発表。一行は六日に着伯し、約二週間の研修を終えて帰国した。
 現在までに約四百人もの研修生が同制度で来伯し、約五割が農業に従事しているという。今回はポンペイア西村農工学校での研修をはじめ、ブラジル兵庫県人会創立四十五周年式典などにも参加。パラナ州マリンガではホームステイもした。
 団長の松本覚さん(19、兵庫県立播磨農業大学校)の実家は兼業農家。「教科書で学ぶのとは違うブラジル農業の規模の大きさにびっくりした」と話し、「みんなよく協力してくれてまとまりがあった」と感謝の意を表した。
 「ホームステイが本当に良かった」と話すのは小林沙弥子さん(17、兵庫県立播磨農業高等学校)。日系二、三世の日本語の上手さに感銘を受けたそう。また、「日本って狭いなと思った。規模が違うから、学校で習ったこととすることが違った」と感想を話す。
 引率者の大村隆司さんは「遺伝子組み換えの野菜を栽培しないなど、ブラジル農業が抱えている問題に日系人が真正面から取り組んでいる。日本が今やるべき農業をしているのを見て衝撃を受けた」。また、「西村農工学校で同じ歳の子らが一つの寮に寝泊りするのは一生忘れない経験になると思う」と満足した表情で話した。
 「一つでも二つでも多く経験してもらって彼らの役に立ちたい」と毎年同研修生団の世話をしている旅行コーディネーターの吉田初さんも今回の研修に満足した様子。「気候もよかった。研修生も今年が一番まとまっていた」と賞賛した。
 その後松本さんから尾西貞夫ブラジル兵庫県人会会長に記念品が贈呈された。尾西会長は「皆さんは私の娘、息子くらいの年齢。ブラジルでいい経験してもらえたようでよかった。これからもこの制度是非続けたい」と述べた。引率者の平尾榮治団長も「農業だけでなく、林業も水産業も合わせて研修できるような制度を作りたい」と抱負を述べた。
 最後には同県人会役員、研修生OBらが「この経験を活かして将来農業に従事して欲しい」と激励した。

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