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青年交流を自己負担で=北海道、予算打ち切ったので=昨年、希望者減で派遣見送り=しかし「関係薄めたくない」

2005年9月15日(木)

 ブラジル北海道協会(大橋皖吾会長)が十月初めに青年ら十人を道に派遣し、北海道日伯協会と交流する。若手を中心にした交流事業には従来、北海道南米青年交流団という制度があり、道庁から助成金が交付されていた。参加希望者の減少などを理由に二〇〇四年から打ち切られており、今年新たに民間ベースで実施することになった。
 北海道滞在は十月二日からの約一週間。道庁、道議会などへの表敬訪問や道内の青年との交流のほか、アイヌの村として有名な白老町や洞爺湖などを見学する予定。北海道日伯協会が受け入れ先になり、青年部ひぐま会や婦人部はまなす会の会員らが参加する。
 以前の青年交流団は、北海道協会と道庁の外郭団体、北方圏センターが毎年交代で青年約十人を相手国に派遣。関係機関への表敬訪問や若手間での意見交換などを通じて、両国の親善を図っていくものだった。
 道の財政難が続く中で、〇四年ブラジルからの参加希望者が定員の約半数しか集まらなかったために、北海道協会トップの判断で派遣を見送ったところ、道が同年事業の廃止を決めた。
 しかし、道との関係を希薄化させたくないと、ひぐま会などから交流の継続を望む声が出た。実は昨年から留学生と研修生の枠も一気に、それぞれ四人から一人に減少。関係者らは危機感に迫られ、民間ベースとして〃復活〃させるように腐心した。
 今年実施する交流事業は中身自体、従来の南米青年交流団と変わらない。ただ交流団の場合、道内の宿泊費や観光費は道庁が援助していたのに対して、今後は自己負担になる。また北海道日伯協会が来年、青年を派遣するとの確約を得ているわけでもない。
 ひぐま会は〇六年に創立十五周年を迎え記念事業を計画していることから、日伯協会に招待状を手渡し来伯を呼びかけていく考えだという。

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