ホーム | 日系社会ニュース | 神奈川県人会=40周年式典=来賓招待なく内輪で=係争中のお家騒動を考慮

神奈川県人会=40周年式典=来賓招待なく内輪で=係争中のお家騒動を考慮

2005年9月24日(土)

 神奈川県人会(村田洋会長)の創立四十周年記念式典が十八日午前十一時から、サンパウロ市ヴィラ・マダレーナ区の同会館で開かれた。 前会長による会館売却問題で揺れるお家事情を配慮して、この日の式典は内輪だけでひっそりと行われた。会員を中心に約七十人が出席。式典後には敬老会も開かれた。
 当初は母県からの出席も予定されていたが、一連の騒動を受けて見送りとなった。来賓の招待もなく、当日は県人会関係者だけの静かな祝宴になった。
 前会長による会館売却が刑事告訴まで発展したことで、式典で村田会長は現在までの状況や今後の見通しなどを説明した。
 事の発端は今年一月、高世整一会長(当時)が独断で県人会館を売却していたことが発覚したこと。県人会では前年九月の臨時総会で会館売却の方針を決定していたが、価格などの条件については検討中だった。
 その後、売却に関し総会の議事録が改ざんされていたことも発覚。高世氏を除名するとともに、公文書偽造と背任罪で同氏を告訴した。
 裁判は民事、刑事の両方で進められている。村田会長によれば、県人会側と売却先の不動産会社双方の弁護士を通じて話し合いが進められている。裁判には二、三年かかると見られるが、双方の交渉が折り合って示談が成立すれば、早期に解決する可能性もある。刑事訴訟については、早ければ今年中には裁判が始まる見通しだという。
 また、高世氏が行った売買契約では四月末までに会館を明け渡すことが記されていたが、このほど裁判所から仮処分が出され、裁判終了まで会館引渡しの件は保留になった。

image_print