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太鼓選手権=優勝無効騒動収まる=アチバイアチームに決定

2005年9月29日(木)

 ブラジル太鼓協会(渡部一誠会長)は二十一日に臨時の役員会を開き、会費未納を理由にブラジル太鼓選手権の優勝を無効にされていたアチバイア川筋清流太鼓チームをあらためて優勝とすることを決定した。協会と関係者との間で話し合いがもたれ、元のさやに収まった格好だ。太鼓協会の渡部会長、佐々木弘一相談役とアチバイア文協の辻修平会長、吉田治美総務が二十二日に来社して役員会の結果を報告した。
 役員会には太鼓協会役員、加盟チームから約二十人が出席した。佐々木相談役は「青少年の育成や伝統の継承という協会の主旨にのっとり、日系社会の発展と子供の将来を考えて今回の結果に落ち着きました」と再決定にいたった経緯を説明した。
 アチバイアチームは今年五月に開かれた第二回ブラジル太鼓選手権のジュニア部門で優勝。来年三月に長野県松本市で開催される第八回日本太鼓ジュニアコンクールへの出場を決めていた。しかしその後、太鼓協会への会費未納が発覚。同協会は七月三十日に臨時総会を開き、アチバイアの優勝無効を決定した。
 決定に対し、周囲からは協会に再考を促す意見が続出。協会側も代わりの優勝チーム決定を見合わせたまま現在にいたっていた。
 順序からいけば繰り上げ優勝となるイビウナチームの子供からは、アチバイアの優勝を望む声が上がった。日本側の関係者からも「将来を背負う子供達のことを考えた判断を」と、事態の成り行きを心配する声が寄せられたという。
 その後、辻会長を交えた関係者による話し合いが進められた。渡部会長は「『子供には罪はない』という意見が強かった。会の発展、日本との交流という点から一番良い方法を話し合いました」と語る。
 今回の決定により、あらためてアチバイアチームの訪日が決まった。辻会長は「行けると信じて練習を続けてきました」とほっとした様子。「お互いが心を開けて話し合った結果です。会長はじめ関係者に感謝したい」。
 二カ月かかって当初の結果に落ち着いた今回の優勝無効騒動。佐々木相談役は「同じ過ちを犯さないようにしたい。次回からはより良い大会ができると思います」と語った。

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