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移住家族会からの=柱時計引き取れず=空港税関に留まる=苦悩の宮城県人会

2005年10月1日(土)

 宮城県移住家族会がブラジル県人会に寄贈した柱時計が、今年六月からブラジルの税関で止められたままになっている。
 海外日系人協会が発行する機関紙「移住家族」の最新号(四百二十五号)によれば、この柱時計は今年一月の県人会館落成を記念して移住家族会が会員から募金を集め購入されたもので、約十五万円相当。
 カンピーナス市のビラ・コッポス空港に到着し、税関で引き取りにかかる経費は六月八日の時点で、輸入税、各種手数料など計約一万一千レアル(約四十六万円)に上っているという。
 問題発覚を受け、県人会でも空港へ出向くなどして交渉を続けてきたが、一度連邦政府の税関に入ったものを取り戻すのは難しく、手が出ない状況だ。
 県人会の鈴木運蔵理事は「厚意に報いられるように、何とか受け取れるよう頑張っている」と語るが、財政難の県人会にとって一万レアルは少なくない金額であるのも事実だ。
 日本からの寄贈品が税関で止められてしまうことは過去にもある。今回の柱時計は二メートル近い大きさで特に目立った模様。
 「税関を出るまでは日伯両国間の問題ですから」と困惑気味の中沢宏一会長。「県や在日ブラジル公館など、送る前に行政を通じて書類などの手続きをする必要があった」と事情を説明した。このたびのケースには事前の段取り不足の面もあったようだ。
 県人会では現在、家族会を通じて県知事や在日ブラジル大使館、総領事館へ認証書類の手続きを進めているという。
 いずれにしても、せっかくの贈り物が届かないのでは残念な話。他の団体にとっても他人事ではない。

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