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コラム 樹海

 「料亭に早く行ってみたい」「国会議員の給料は2500万円」とか語ったのは自民党の新人衆議である杉村太蔵氏である。只今―26歳と若い。全国最年少の衆議員であり、あるいは将来の有望株なのかも知れないが、新人にしてはいささか喋りすぎの嫌いもする。先輩諸氏からは厳しいお叱りを頂戴したらしい。まあ青年の客気もあったろうし、ここは大目に見ようか▼料亭と政治の関係は深い。日本型政治の原型のようなものと云っていい。杉村太蔵氏も、そんな政界のイメージを描いていたのだろうが、最近の永田町はかなり様変わりしているようだし、かっての派手で賑やかな政界話は昔話になったらしい。なにしろ料亭は高い。従って政治資金は嵩む。そこから「井戸塀(イドベイ)政治家」の言葉も生まれ、政治にはカネが掛かる▼今は国会議員の数に比例して国が政党交付金を出すようになっているが、昨年の金額は317億円に過ぎない。ところが自民など各政党の収入は1381億円である。パーテイなどを開いたり献金を募ったりと涙ぐましい努力をしている。それでも政治資金は足りない。最も金持ちなのは共産党で収入は300億円と少し。次いで自民党が264億円▼これでも不足なのである。昨年は参院選挙もありカネは幾らでも欲しい。と、共産党の支出は342億円と大赤字。自民党も18億円の赤字。しかも、銀行から77億円かの借金があるそうだから―ちょっと大変だ。そんな裏話も知らないで「料亭へ」でもあるまいに―。    (遯)

05/10/04

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