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日伯学園構想=橋本元総理が協力約束=「日本では自分が」=文協会長ら帰国会見

2005年10月5日(水)

 九月八日から日本を訪問していたブラジル日本文化協会の上原幸啓会長と百周年記念祭典協会関係者が三日、帰国会見した。小泉首相を表敬訪問したことや、祭典協会の大浦文雄総務副委員長(文協顧問)が橋本龍太郎元首相と懇談し、日伯学園化構想が持ち上がっているアルモニア学園増築計画への協力を取り付けたことなどが明かされた。
 会見には、上原会長に随行した文協の中島剛事務局長、百周年記念祭典協会の柳沼啓太郎総務委員長、大浦総務副委員長が出席。
 上原会長は「海外日系人大会への参加が第一」と今回の訪日を位置付け、会場で百周年事業と文協ネットについて発表したことを報告。大会終了後に行われた昼食会には、扇千景参議院議長が同席したと話した。
 「訪日の目的はあくまで表敬訪問。詳細は何も話していない」とし、特に積極的な働き掛けはせず、今年十二月に行われる文協創立五十周年への招待状を諸団体関係者らに手渡しただけに留まったという。
 要人との交流については、日伯中央協会の清水慎二郎会長(元三井物産社長)、鈴木勝也理事長(元ブラジル大使)、永田健太郎事務局長らとは昼食会で会合したほか、小泉首相と面会。「昨年のブラジル訪問に触れ、今回の衆院選での大勝をお祝いした」(大浦氏)という。
 また、大浦氏は橋本龍太郎元首相と四十分ほど懇談し、百周年記念四事業に承認されているアルモニア高校増築計画と日伯学園を一緒にする件に関して、橋本氏から「日本側では自分が中心になる」との約束を取り付けたと明かした。
 さらに、会見で、首脳会談により二〇〇八年が「日伯交流年」と定められたことにも触れた。百周年プロジェクトを両国政府に認めてもらう必要性を強調。日伯中央協会幹部との会合で、日本側からも二十一世紀協議会メンバーに働き掛けてもらうことを確認したという。
 一方、一行はNHK本社を訪問し、現在放映されているドラマ「ハルとナツ」最終回に百周年についての文言をテロップで流してほしい旨を担当者に伝えたという。
 会見は大浦氏が全般に渡って説明した。上原会長は都合のため、途中で席を立った。
 記者からの「百周年事業の資金捻出はどうするのか」との質問には、柳沼総務委員長が「十一月にリオで予定されている日伯二十一世紀協議会の会合までにプロジェクトを煮詰め、両国政府に資金面などを含めた提案をしていきたい」と答えた。

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