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既存の枠越えた=表現スタイルで=維新派が来伯公演

2005年10月6日(木)

 大阪を拠点に活動する現代演劇の維新派(主宰・松本雄吉)が二十一日から二十三日まで、サントス市のSESCで日本未発表の新作「ナツノトビラ」を上演する。テレビ漬けの少女が体験する、実像と虚像が入り混じったある夏の一日を描いた異色の作品だ。
 音楽劇であり、光と影をテーマにした美術劇。既存の「演劇」の枠に収まらない維新派の作品は、会話によって語られることが少ない。セリフは単語に解体され、リズムパターンに配置され、大阪弁のイントネーションが強調される。役者の動きは細かく振り付けされ、日本人の身体性を生かした表現を特徴とする。
 「喋らない台詞、歌わない音楽、踊らない踊り」と名付けられる独自の世界。作品によっては野外劇場を建設することもある、維新派ならではの大掛かりな舞台セットもまた見物だ。一時間四十五分。
 「ナツノトビラ」は、ブラジルに先立ち、メキシコの古都グァナファトで開催中の国際芸術祭セルバンティーノ・フェスティバルで上演を予定している。
 サントス公演はSESCと国際交流基金の催。二十一日と二十二日が午後八時半から、二十三日は午後八時から。十レアル~二十レアル。七百八十五席。詳細は電話13・3227・5959(SESC)。

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