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白熱した臨時評議員会=定款改正委設置へ=百周年は意見紛糾

2005年11月1日(火)

 ブラジル日本文化協会評議員会(大原毅会長)は臨時評議員会を二十九日午前十時から、文協ビル小講堂で開いた。出席したのは百五十四評議員(五十補充評議員)のうち三十七評議員だったものの、評議員会の役割や移民百周年について様々な意見が出された。大きな決議事項はなかったが、理事会内に定款改正委員会を設置することを決め、〇七年の選挙方式などを討議する考えだ。
     
 大原評議員会長は開会にさきだち、「今回の臨時評議員会は何かを決議するものではなく、評議員会のこれからの方向を示すものにしていきたい」と話し、出席者のほか、十四人の委任状があることも確認した。
 上原文協会長は「みんな文協のために、毎日一生懸命働いています」と強調したうえで、「評議員会からの助言を頂きたい」とあいさつした。
 伝田英二会計専任理事が財務現状を説明するなかで、不動産を主とした文協の総資産が二千四百八十三万五千八百九十五レアル(〇四年の調査)であることを報告。
 流動資産が今年下半期に減少していることを懸念し、その理由として「日本語学校を手放したことにより、定期的な収入がなくなったため」と指摘した。なお、四月の選挙時に登録した新会員も減少していることも明らかにした。
 大原評議員会長は「評議員会の役割」「文協独自の百周年記念行事」「定款改正」について、全会員に文書で意見を呼び掛けた結果、十九の意見書が届けられたことを報告。「評議員会の機能改善や定款改正に対してのものが多かった」とし、改革委員会、高等審議会の廃止を求める声もあることを挙げた。
 続いて、文協役員選挙が評議員選任制、会員直接投票制どちらかに選択できることが今年六月の民法改正で可能になったことを受け、意見を求めた。
 意見書を提出した尾崎守評議員は初の直接投票が行われた前回の選挙を「前代未聞の混乱を招いた」と反省を促し、「新会員に選挙権を与えたことにも理由がある」とした。
 これに対し、立候補した谷広海評議員が「選挙に対する規定の曖昧さと選管の規定変更こそが混乱の原因」と反論。
 「コロニアの民主化」と高く評価し、「七、八人でシャッパが出来る形で、二年後の選挙を迎えたい」と定款改正案を出したうえで、再立候補の意思があることをほのめかした。
 中沢宏一評議員は「選挙は文協の活性化を促し、皆が一丸となって考えた」と谷氏に同調。「責任を持つ」うえで直接投票制を支持、「評議員会が選挙管理をしてもいいのではないか」とも話した。
 大原評議員会長は、百周年事業について言及、「文協が独自の企画を提出することはできないか」と呼び掛けた。
 下本八郎監査は百周年記念誌の編纂を強く希望、評議員の減員も提案した。
 谷評議員は「アニェンビーに会場が決まったようだが、正式に契約をしていない。日本側に対しても領事館にすら話ができていない状態で、二年前までに決定しないと資金面での協力は望めない」と指弾。
 百周年記念祭典協会の定款の不備も指摘、「文協会長が協会の理事長を兼任する必要はないのでは」との考えも示した。
 協会プロジェクト委員会の吉岡黎明副委員長はいつもとは違った面持ちで「皆さんに聞きたい。百周年をしたいのか、そうでないのか! 批判ばかりでは何も進まない」と興奮気味に発言。
 協会の柳沼啓太郎総務委員長は「アニェンビーに関しては、サンボドロモだけでなく、パビリオンも含めて考えている。計画がはっきりするまで日系コロニアとしていい加減に契約は結べない」と反駁。
 「州政府とも定期的に会合を開いている」と協会の活動を強調しつつも、「コミュニケーション不足は否めない」とした。
 会は三時間にも及び、本題とは外れた部分で意見が紛糾する場面もあったが、評議員のあり方や百周年への意見が百出、有意義な話し合いとなったようだ。
 大原評議委員会長は最後に、駅伝、記念碑建立、日伯美術展覧会、日伯代表チームによる親善サッカー大会などの提案が意見書にあったことを報告、定款改正委員会を理事会内に発足させることを確認した。

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