ホーム | 日系社会ニュース | 合併前に故郷を訪問=鹿児島県坊津町=移住者ら歓迎受ける

合併前に故郷を訪問=鹿児島県坊津町=移住者ら歓迎受ける

12月25日(土)

 いつまでも忘れない母県との絆――。鹿児島県人会内にあるブラジル坊津会は十月末から十一月初旬にかけて鹿児島県坊津町を訪れ交流を深めた。これまでにも五年に一度、同町出身者らで訪問してきた同会。近く市町村合併により南さつま市になることに伴い「坊津」の名を失う故郷を訪れておこうと約四十人が参加した。
 これまでにブラジルをたびたび訪問し、大のブラジルシンパである谷上幸男町長は、首長としての権限を持つ合併前に同町出身の移民に最大限の便宜を図りたいと、滞在中の費用を一人十万円まで町から支出。異例の厚遇でブラジル坊津会を出迎えた。
 今年十一月一日に町政五十周年を迎えた同町は一行らの滞在期間中に町内の体育館で記念式典を実施。同町からは多数の移民を送り出しているだけに、同席した一行も盛大な歓迎を受けながら、半世紀の節目を祝った。母県の象徴とも言える桜島など県内各地を観光した一行は一世だけでなく、二世も含まれた。ふるさと会の会長を務める鮫島義隆さん(76、二世)は「町がなくなっても故郷との絆はなくならない。次世代に交流を引き継ぎたい」と語った。

image_print