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「マルガリーダ・T・V広場」整備へ=救済会関係者=「名を汚せない」=サンパウロ市イタケーラ区内=荒れた状態になっていた

2005年11月12日(土)

 救済会創立者の一人、故渡辺トミ・マルガリーダさん(一九〇〇─一九九六)の名を冠した広場が、サンパウロ市イタケーラ区内にある。一九九〇年代に野村アウレリオ市議が提案して、造成されたもの。同区役所が清掃などをして、こぎれいな状態に保たれている。救済会は今後、後援者を募り、広場の整備を本格的に進めたい考え。
 四メートル×十五メートルほどの細長い広場で、ジャク・ペセゴ・トラバリャドーレス街近くに存在している。同女史とイタケーラ区との接点は、特にない。アウレリオ市議は、父野村丈吾連邦下院議員(故人)と渡辺女史との親交が深かったことなどから、その名が思い浮かんだ。
 「Pca Margarida Tomy Vatanabe」──。本来なら「Watanabe」と表記するのが正しいが、夫渡辺儀平氏(故人、公認会計士)の身分証明書がもともと誤って記載されていた。マルガリーダさんは訂正しないままに生涯を過ごし、〃誤記〃を踏襲した形になった。
 吉安園子前救済会事務局長は「息子さんたちも、『Vatanabe』はこの世で一つしかいない名字だと誇りを持っていました」と語る。同会が運営する老人ホーム、憩の園(グアルーリョス)にある石碑の名も『Vatanabe』だ。
 広場の知名度はコロニア一般で低く、救済会自身、その存在を長らく知らなかった。数年ほど前に幹部の耳に入り、現場に足を運んだ。雑草が生い茂って手入れがされておらず、荒れた状態になっていた。
 「放置すれば、渡辺さんの名を汚してしまう」──。そう危機感を募らせた関係者たちは、対応策を練ってきた。大浦文雄常任理事と相田祐弘理事がこのほど、広場を訪れて現況を確認。イタケーラ区役所と管理のあり方を話し合った。
 今のところ、区役所が草取り、清掃を行っている。大浦常任理事は「渡辺さんがブラジルに渡って、どういうことをしてきたが分かるような広場にしたい」と述べ、本格的に整備していきたい考えだ。
 ただ、広場の維持・管理には相当の支出が求められるため、スポンサーを募る方針。相田理事は「渡辺さんにふさわしい草花などを植えて、多くの人に足を運んでもらえる場になれば」と話している。

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