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高いレベル全伯日本語スピーチ・コン=〃意外な〃着眼、視点=8地区から24人参加

2005年11月18日(金)

 国際交流基金サンパウロ日本文化センターは、第十一回全伯日本語スピーチコンテストを十二日午後一時から六時まで、同センター一階大ホールで開催した。ブラジリア、マナウス、ベレン、リオ・デ・ジャネイロなどブラジル国内八地区から、地区大会で優秀な成績を収めた二十四人が参加し、発表をした。会場には約五十人が訪れ、日本語のレベルの高さに感心しているようだった。
 「日本の店員が、いらっしゃいませ!と大きい声で言うのにはびっくり。頭がおかしいんじゃないかと思った」と、会場の笑いを誘ったのは、Aカテゴリー(日本語環境に育った人、または、日本滞在経験のある人)で優勝に輝いたフェルナンデス・ジョアン・レンダ・レアルさん(リオ)。今年初めて参加した。日本に十一ヵ月の留学経験があり、そのときのことを『日本でびっくりしたこと』という題で発表した。「百円ショップにもよく行った。ラーメン五つで百円。凄い!ネクタイも下着もここで買いました」。帰国する時はあまりにも百円ショップで買ったものが多すぎて、密輸業者かと疑われたそう。「将来はブラジルに二レアルショップを開きたい」。
 Bカテゴリー(中級レベル)で優勝したモンチ・ユリ・ジェッガー(ポルト・アレグレ)さんは十年前から空手道や柔道などを経験し、現在は合気道をしている。タイトルの『武道』という言葉の意味を説明し「武道は争いをふせぐための道。多くの人が格闘技をしていたら戦争なかったでしょう」と話した。
 ANA賞に輝き、見事日本への航空券を手にしたアラウージョ・チアーゴ・コロンボ(マナウス)さんは『チャンスをくれた人たち』という題で発表。アマゾナス州における移民の歴史にも触れ「素晴らしい日本文化を学べたのは移民のおかげ。移民がエネルギーを持った日本人じゃなければどうなっていたでしょう。感謝します」と語気を強めた。日本では二週間研修をする予定だ。
 また、人間国宝の山口五郎氏を師にもつ尺八・フルート奏者シェーン・リベイロ氏、ギター奏者のカミーロ・カハラさんによる演奏が披露された。
 外国における日本語教育に関心があるという杉本麗名在サンパウロ総領事館文化担当官は、「サンパウロは日系人も多いしうまいと思ったけど、地方の方、非日系人の方もうまくてびっくりした。これからもこの大会を続けて欲しい」。
 審査委員長を務めた三浦多佳史同センター客員講師は「スピーチはどうやって人の心をひきつけるかも大切なこと。パネルを使ったり、ジェスチャーをしたり工夫が見られた」と話し「地方の日本語教育が浅いところのレベルの底上げができてきている」と感想を述べた。
 入賞者はつぎのとおり。▽日本国ブラジル大使杯(来場者の投票により決まる)・・・バルボーザ・グスターヴォ・エンリッケ(サンパウロ)▽感動スピーチ賞・・・マルチンス・ニベア・オウラ(B、リオ)▽表現技術賞・・・ヴァルコンセロス・ヴィキトール(B、ナタル)▽きれいな日本語賞・・・小川シルバ・ダニエーラ・ミドリ(C、ベレン)▽A優勝・・・フェルナンデス・ジョアン・レンダ・レアル(リオ)▽B優勝・・・モンチ・ユリ・ジェッガー(ポルト・アレグレ)▽C優勝・・・で・アゼレド・ジョアン・パウロ・フェデーレ(ポルト・アレグレ)▽ANA賞・・・アラウージョ・チアーゴ・コロンボ(マナウス)。

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