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コラム 樹海

 皇位継承は長子優先の方向がほぼ固まったようである。首相の諮問機関である「皇室典範に関する有識者会議」の報告書には「男女に限らず天皇直結の長子(第一子)を優先する」「女性皇族は結婚後も皇室にとどまり宮家を創設」であり、女性・女系天皇を認める骨子となっている。もし、この骨格が通り皇室典範が改正されれば、皇太子の次には敬宮愛子さまが皇位を継ぐことになる▼女性天皇については賛否両論があり、国民の意見は必ずしも一本化されてはいない。推古や持統など歴史的には女性天皇もいたが、これは例外的なものであり女系までをも認めるのは問題が多いの議論もあるし、三笠宮寛仁さまも同じような見解を発表し話題になったりもした。だが、世論調査によると、近頃は女性天皇を認める人が多くなっているし、伝統的な男子に限るの方針は崩れる可能性が高い▼確かに現在の皇室を見ると、皇位継承者は6人になっておりいささか寂しい。こうした事情から女性皇族にも継承権を与えるの考え方が出てきた。小泉首相も「容認派」であり、有識者会議の報告書を受け皇室典範の改正に取り組む意向を示してもいるし、国会の方も支持が多いのではないか。勿論、反対論はあるし激しい議論があるだろうが「女性天皇」で落ち着くと見ていい▼このような動きや論議が起こるようになったのも、時の流れと捉えたい。これから50年。いや100年後には’女性天皇が誕生しても誰も不思議とは思わない―そんな時代が必ずやってくる。 (遯)

 05/11/26

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