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日本祭り収支報告で混迷=県連代表者会議=承認またも見送り=執行部の責任問う声も

2005年11月29日(火)

 県連十一月代表者会議が二十五日に宮城県人会館で開かれた。七月の第八回フェスティバル・ド・ジャポンの決算報告、来年の日本祭に関する議題を中心に意見を交換。来年は今年と同じイミグランテス展示場で、初めて二週間の週末にわたって開催することを決定した。一方、八月から持ち越されていた今年度フェスティバルの会計報告はまたしても承認を見送り。話し合いによる解決を求める執行部と監査委員の意見の溝は埋まらず、議論は平行線をたどった。さらにこの日の会議では、吉加江ネルソン・宮崎県人会名誉会長から執行部に対し、詳細な収支報告提出を求める通告書が出されるなど、収支報告問題は混迷の度を深めている。
 二週間開催の案は、先月の代表者会議で執行部から提案されていた。当初は会場費が無料になる場合を想定していたが、この日の会議で中沢会長から、一週間の場合十二万レアル、二週間の場合十五万レアルの使用料がかかることが報告された。
 執行部は両方の場合の見積もりを示した。見積もりによれば、来年の基本入場料金は十レアル。これについて執行部は、専門家の意見として「あの規模のイベントであれば十レアルは高くはない」と説明した。
 二週間開催について執行部は、スタンドや会場テントの設置料、入場料収入などの点を挙げ利点を強調。郷土食スタンドについては、来年は屋外の食スタンドを県人会のみにすること、各県人会の事情により一週間だけの出店でも可能だとして、出席者の賛同を求めた。
 出席者から、イベントのチェック体制や食スタンド配置の検討を求める意見などが出された後、採決。賛成多数で承認され、二週間の開催が決まった。
 来年のフェスティバル開催準備と並んで県連が直面している問題が、今年の第八回フェスティバルの決算報告問題。今会議での承認が期待されていたが、監査委員の承認が得られず、またも見送りとなった。
 会議では、前回までの代表者会で監査委員が指摘した疑問点について、原泰朗事務局長が回答した。
 監査委員の大西博巳広島県人会長は、今回の代表者会開催に先立って監査を行なった際に書類の不備があったこと、それにともない会議当日に監査の申し出があったが出席できなかった事情を説明。近日中に再び監査を実施する意向を示した上で、執行部側の回答にまだ不十分な点があるとしてこの日の承認を見送った。
 度々の承認見送りに対し中沢会長が発言。「監査委員と執行部が対立する理由はない」と語り、早々に関係者による話し合いの場を設けるよう呼びかけた。
 これに対して大西委員は、書類をチェックする監査委員としての役割を強調。出席者からも早期の問題解決を求める意見があがったが、議論はまとまらず、平行線をたどった。
 また、この日の会議では、宮崎県人会の吉加江ネルソン名誉会長が、県連執行部に対して第八回フェスティバルの会計、契約に関する六項目の詳細な報告書提出を求める通告書を送ったことを明らかにした。これに対して中沢会長は、役員と相談の上この問題に対処する意向を示した。
 

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