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コラム 樹海

 地方から送られてくるカラオケ大会関係記事のなかに、知らない市(まち)の名をみることがある。めったに紙上に登場しないためだ▼先月、パラナ・ベテラーノ歌謡大会の開催地となったのはグァピラマであった。パラナ文化運動連盟が、この市も「カラオケ活動」の実績が十分と認めて、同市の日伯協会を実行主管団体に指名したのである。オウリニョスに近くサンパウロとの州境に位置するが、過去、邦字新聞に登場したことはほとんどなかったのではないか▼先月末、ソロカバで恒例の聖南西紅白歌合戦が行われた。十二市(の日系団体)の参加で盛況だったといい、その市名が報告されていたが、この中にもふだん邦字新聞に出てこない町があった。新聞に出なくてもれっきとしたカラオケの歌い手がいたのである。今や、日系人が住むところ、必ずカラオケが娯楽ナンバーワンとして、人集めに最高の催しになっている▼以前、この欄に書いたことがあるが、年初日系団体の総会後、役員人事が日語書記によって通信されてきたものだった。近年は、日語書記が老いたか、不在になったかして、その通信は激減した。それでも、「カラオケ大会のニュース」は続いている。以前に増して、である。たとえ、ゲートボールの競技者が漸減するとしても、非日系人をも吸収できるカラオケ大会の〃寿命〃は伸びていくだろう▼来るべき日本移民百周年関連の祝賀行事の人集めには、カラオケ大会を併催するのが、安易だが、容易だと思われる。(神)

05/12/14

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