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ロスからなぎなた指導=日系2世=中野さん=サンパウロ市の愛好者と交流

2005年12月22日(木)

 北米ロスアンジェルスから十七日、国際なぎなた連盟副会長で日系二世の中野三千代ヘレンさんが来伯。二十日までの滞聖中、ブラジルなぎなた協会(森田泰江会長)で指導にあたった。帰国を前に森田会長、同協会の安部恵子さんと来社した中野さんは「ブラジルでなぎなたが発展していることが見られて嬉しく思います」と感想を語った。
 なぎなた(薙刀)は長い柄に刃をつけた、日本古来の武具の一つ。先ごろ終了したNHK大河ドラマ「義経」で弁慶が持っていた武器と言えば思い当たる人も多いはず。先端の刃と長い柄をあわせると二メートル以上になる。競技では刃の部分が竹になり、型を競うものと、剣道のように防具をつけて立ち会うものに分かれている。
 国際なぎなた連盟は一九九〇年に設立され、現在十五カ国が加盟している。中野さんは、本国では南カリフォルニア支部の会長をつとめ、地元の大学でも指導にあたる。アメリカの競技人口は、剣道にはまだ及ばないが、四支部で五百人に上るという。
 ブラジルなぎなた協会が設立されたのは九三年。現在は二十五人の会員がブラジル佐賀県人会館で稽古に取り組んでいる。「一時は五人まで減った」(森田会長)が、映画「ラスト・サムライ」の影響で入会する人が増えたという。
 中野さんは滞在中、講習会のほか、段の審査会などに立ち会った。「二十五人というのは少なく聞こえるかもしれませんが、続けていくのは難しいこと。副会長として、他国でなぎなたが発展しているのを見られてうれしい」と訪伯の感想を語った。
 礼儀や規律を重んじるという、なぎなた。中野さんは「規律は教えれば覚えるもの」と語る。「最初ピアスをつけてくる生徒でも、規律を教えると、習いたいから外してきますよ」。
 四年ごとに世界大会が開かれている。次回、〇七年にはベルギーで開催の予定だ。「それまでに選手を育てて大会に参加したい」と森田会長は目標を語った。

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