ホーム | 日系社会ニュース | 静岡新聞=外国人労働者「仕事が半分に」=深まるコロナ不況に心配の声

静岡新聞=外国人労働者「仕事が半分に」=深まるコロナ不況に心配の声

 在日ブラジル人労働者には、すでにコロナウイルスによる経済的停滞の影響が出始めていると静岡新聞3月21日付け電子版が報じている。
 日本のトヨタ自動車は、コロナウイルスの影響で新車需要が世界的に低迷しているため、グループ会社含む国内5工場計7ラインの操縦を、4月3日から2~9日間(稼働日ベース)停止すると発表した。このような不況の煽りを真っ先受けるのは非正規雇用の派遣社員だ。特に日本の自動車関連工場にはブラジル人を始めとする外国人労働者が多い。
 同紙によると「派遣社員エイヅカマサトシさん(57)=浜松市北区=が働く工場は稼働率が2~3割低下した。収入のあてにしていた残業がなくなり、『本当に困る。長く続くなら、ブラジルに帰ろうかな』とつぶやく。ナカイマリオさん(55)=同市中区=は県外で派遣労働に従事するブラジル人の友人から『仕事が半分になった』と聞いた。ナカイさんが働く市内の工場に影響はまだ見られないが『もし、仕事が止まったら…』と懸念する」といった事例がでている。
 こういった特定の外国人が多い地域では、コミュニティーの親睦の場として、その国の食材や料理をだす店があり、そこも派遣切りや雇い止めの影響を受けている。同紙によると、浜松市中区のブラジル料理店でも本来なら繁忙期時期の2・3月に10件以上の予約のキャンセルがあり、客足が日々遠のいている。
 浜松労働基準監督署の外国語相談窓口(ポルトガル語)にはここ1、2週間で雇い止めに関する相談が増えている。
 このままコロナ不況が深刻化すれば、リーマン・ショック時以上の外国人労働者解雇の流れにつながらないだろうかと心配する声が出始めている。

image_print