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文協図書館=「本は宝物の意識で」=会見で=改革方針=古本即売市は再開へ

2005年12月23日(金)

 【既報関連】文協図書委員会(宮城滋委員長)は二十二日午後、記者会見を開き、今後の図書館改革の指針を発表。その中で、〇六年度事業活動からいったん削除された古本即売市を再開させる方針であることを明らかにした。
 「来年から、もっと利用しやすくなるように開館時間を長くし、貸し出し料を廃止します」。宮城委員長はサービス拡充の内容を説明した。平日は午前九時から午後七時まで(午後五時四十五分だった)にする。昼食時間正午から午後一時までは閉館していたが、来年からは営業する。土曜日も正午までだったのを、午後一時にのばす。
 現在七万冊ある図書を借りるには、今までは最初に文協会員(年百十レアル)になり、さらに図書貸し出し料四十レアルの計百五十レアルが必要だった。今後は会費のみで利用可能になる。利用者約四百人のうち、貸し出し料だけで利用している非会員が今までは多かった。
 そのため、来年からは貸し出し時に会員証提示を徹底する方針だ。松尾治文協副会長は「図書委員会としての収入は減っても、文協としては増収になるのでは」との見通しを語った。
 即売市中止に関して、五十嵐司図書委員は「中止しようというのではなく、運営方法を考えてほしいというつもりだった」と釈明。宮城委員長は「委員会としては来年二回実施したい」とし、年明け早々から理事会、評議員会へと働きかける方針だ。
 分類を手伝ってくれる本好きなボランティアを募集し、本寄贈者には事前に「売る可能性がある」ことを告知するなど、モラルに問題のない運営を心がけることを再確認した。
 同委員会では今年、USP日本文化研究所(四万冊)、天理教図書館(六万冊)、国際交流基金(一万四千冊)、ピニャール青年図書館(七万五千冊)を視察し、運営方法などを調査した。宮城委員長は「もっと研究を深め、注意が足りない点は反省し、改めていきたい」と語った。
 図書委員の細川多美子さんも「本は宝物、という日本人の意識で運営していきたい」との意気込みを語り、より多くの本の寄贈と、本好きなボランティアの募集を呼びかけた。

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