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コンフェデラソン組織づくり=ブラジル太鼓協会が主導=まず各州に協会設立=流派問わず「仲良く」を重視

2006年1月12日(木)

 ブラジル太鼓協会(渡部一誠会長)は、十日午前十時からニッケイ・パラセ・ホテルで、去年一年の活動報告と今後の運営について発表する会合を開いた。渡部会長をはじめ、宗友夫総務長、行徳直幸理事、アチバイア日伯文化体育協会の辻修平会長ら六人が出席。アチバイア川筋清流太鼓やリーダーグループも参加し演奏を披露した。今後、同協会はブラジル太鼓連盟を設立するために既存のパウリスタ太鼓協会以外に、各州にも協会を発会させていく考えを示した。
 去年、五月に行われた「第二回ブラジル太鼓選手権大会」のジュニア部門で優勝したアチバイア川筋清流太鼓(青山明政代表)の九ヵ月分会費未納を巡る優勝無効問題で波紋を広げていた同協会。今後は各太鼓団体が手をとりあって「太鼓普及」に努めていくという意味も含め、今回の会開催に踏み切った。
 宗総務長は、はじめに二〇〇五年度の活動を報告。今後については連盟設立に向けての考えを発表した。「ブラジルを代表する機関であるためにはコンフェデラソンでなくてはならない」とし、パラナ、リオデジャネイロ、サンタ・カタリーナ各州にも連盟や協会を設立させるための協会を発足させる意向を示した。「既存の各太鼓団体とも一緒に活動していきたい。連盟としては、いくつ流派があってもいい。みんなが仲良くやっていけたらいい」。渡部会長は、連盟設立が実現した場合の同協会について、「発展的解消」との見方を示した。
 一月に来伯する予定であった日本太鼓連盟一級指導員の渡辺洋一さんにも触れ、「現在は体調が優れず、六月から七月に来伯することになった」とした。ブラジルでは二十日間、各太鼓団体の指導にあたるという。
 アチバイア川筋清流太鼓の優勝無効が決定したのは去年七月に開かれた臨時総会。何度も話し合いがもたれ、最終的には役員の処分と引き換えに、三月に長野県で開催される「第八回日本太鼓ジュニアコンクール」に出場することが決まった。
 日本へは引率者を含めた十四人が行く。現在は大会に向けて練習に励んでいる。今月二十二日にアルモニア教育センターで行われる「太鼓フェスティバル」にも出場する予定。その他の川筋太鼓グループ十六チームも出場するなど、同市も太鼓普及活動に力を入れている。
 この日も、コンクールで演奏する「ブラジル太鼓ばやし」を披露。響楽座、とどろき会、サンミゲール文協などのリーダーグループも同曲を演奏し、力強い熱気溢れる太鼓に会場は圧倒された。
 去年、アチバイア文協の太鼓部長に就任した吉田ネルソンさんは「一生懸命アチバイアのチームで普及活動に務めていきたいと思う」。辻会長は「アチバイアの太鼓は文協の傘下で活動しているので、文協を活性化させる上で、大きな役割を果たしている。やはり連盟を設立するのは大切なこと」との意見を述べた。
 その他、関係者からは「コンフェデラソンつくるのももちろん大切だけど、まずは自分たちで地道にこつこつやっていかないと。太鼓の底辺ができたんだからもっと盛り上げていきたい」などの声もあがっている。

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