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農大会総会=つつがなく満場一致=新会長は大島正敬氏

2006年2月8日(水)

 ブラジル東京農大会(石川準二会長)の二〇〇六年度定期総会が五日、サウーデ区の同会館で開かれた。昨年は会長選の混乱が理事の辞任まで発展した農大会。定款改正後初めての役員改選となった今年は、混乱もなく、満場一致で大島正敬・前第一副会長(66)を新会長に選出した。
 午後二時過ぎにはじまった総会にはサンパウロ市内や近郊はもとより、ミナス、北伯など国内各地から約三十人の会員が集った。
 石川会長は冒頭、新会館建設(〇四年落成)にあたって母校から受けた援助と、それぞれの会員が果たした役割にあらためて感謝の意を表わし、「これからはたくさんの企画を打ち出して校友の親睦の場として利用してほしい」と語った。
 五年間にわたり会長をつとめた石川氏。「ここは争いの場ではなく、皆の憩いの場であってほしい」と出席者に呼びかけた。さらに訥々とした口調で、「対決で物事は解決しない。互いの言い分を聞いて、納得して物事を進めれば争いはなくなると思う」と次の執行部へ期待を表わすとともに、任期中の会員の協力に感謝した。
 二〇〇五年度の事業・決算報告と、新会館建設費用の残高報告を承認。続く二〇〇六年度の事業計画では、慰霊祭(七月)など例年行事のほか、八月に北米サンフランシスコで開かれる農大校友パンアメリカン大会などの行事発表。〇七年に開かれる農大生の戦後ベレン入植五十周年式典への協力方針などを確認した。
 出席者の一般提案では、執行部が提案する百レアルの年会費を値下げする提案も出されたが、最終的には執行部案を了承。このほか、在伯の農大OBによる自分史をまとめる案、事務局機能の強化を求める意見もあった。
 農大会では昨年定款を改正し、それまでのシャッパ制から、五名の選挙管理委員会を組織して正・副会長の立候補を受付ける方式に変更した。
 受付け締め切りまでに出されたのは、大島正敬・第一副会長を会長に、沖真一、松栄孝両氏を副会長とする立候補のみ。このため総会では出席者による信任投票となり、結果満場一致で承認された。
 大島新会長はミナス州カンブイで花卉栽培を営んでいる。会長就任あいさつで、信任への感謝を表わすとともに、会の若返りや会員親睦、母校交流の促進、講演やバザーなどを通じた新会館の有効活用といった方針を表明。さらに今後は会の対外活動を控える考えを明らかにした。新会長は「頑張りますので支援をお願いします」と出席者へ呼びかけた。
 この日の総会には、東京農大の〇六年度バイオビジネス学科給費留学生として訪日する伊藤由美さん(21、カンピーナス)と尾崎博美さん(23、サンパウロ市)も出席、会場に紹介された。
 同学科には毎年、世界の同大学姉妹校から四十人の学生が留学している。
 モジ大学の生物学科を卒業したばかりの尾崎さんは、子供のころに訪れて以来十数年ぶりの訪日となる。モジ大学の生物学科を卒業したばかりだが「勉強がしたかったから」と日本での大学生活に期待を表わす。伊藤さんも「ブラジルにはない分野ですから、日本で勉強して、帰国後は関係する仕事につきたい」と抱負を語った。
 総会後は新年会が催され、出席者は食事を囲んで談笑した。

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