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今年の大統領選挙をこう考える=ソール・ナッセンテ人材銀行代表=赤嶺 尚由=連載第3回

2006年2月22日(水)

 ルーラ大統領の再選続投への戦いが著しく苦しく厳しくなりそうなのは、特に政治、行政面で目立つ得点が挙げられず、とりわけ、二〇〇二年の大統領選挙で初当選を果たした際に、一般国民が出来るだけ暮らし易くなるように、この国にムダンサ(単なる変化というよりもっと強い変革という意味でしょうか)をもたらして見せるとか、いろんな公約を掲げておりながら、ほとんど公約倒れとか不履行の形に終わってしまっているからだと考えられます。
 ブラジルの大統領選挙は、一九九七年の憲法修正により、予選の段階で全有効投票数の五〇%+一票という絶対過半数を獲得したものが現れないと、上位二者だけに絞って、決選投票の段階まですすんで、勝敗が争われることになっています。
 二〇〇二年の選挙では、ルーラ候補とセーラ候補が勝ち残りました。ルーラ大統領が悲願とする再選続投を今年の十月一日の選挙の予選投票の段階で、五〇%プラス一票の絶対過半数を取って決定付けることは、先ず到底至難の業にしても、その代わり、その予選投票の段階で以って、早々とセーラ候補以下、五、六人に上ると見られている他の候補に圧倒的な差を付けて、第一位を確保することがどうしても必要不可欠視されます。
 予選で他の候補たちに圧倒的な差を付けて勝つことが出来れば、煮え切らない態度を取っている各政党の方から、決選投票を目の目に、反対に是非支持させてくれ、と積極的に申し入れてくるでしょうし、勝ち馬になりそうな大統領候補には、フィジオロジズモ(政府内の利権や要職と国会での支持を互いに交換したり取引するやり方)がすっかり身に付いて何よりも政治面でトローカにトローカを重ねるのが上手で、知事や国会議員の数で最大の政治勢力を誇るPMDBも、場合によってはルーラ候補の連立提携工作に乗って来る公算が大きいからであります。
 ルーラ大統領は、一九八八年の選挙の時から実施されてきた(ヴェルチカリザソン=連邦レベルでの連立を組んだ政党同士に州知事選でも同じ政党同士による連立を義務付け、押し着せること)という、一九八八年から適用された憲法上の規定を今年の選挙には、適用しないと決断を下しました。
 それは、与党候補に付くのか、野党候補に付くのか、あるいは、ガロチーニョ前リオ州知事以下のPMDB独自の大統領候補を擁立するのか、一向に党色のはっきりしない、しかし、国会で最大規模の勢力を持ち、選挙の行方を決定付ける位の影響力を行使できるPMDBを誘い込む目的で、主にその要求に応えるための応急措置ではなかったのか、という風に伝えられています。
 逆に、野党陣営のセーラ候補に、第一位の座を攫われてしまいますと、ルーラ候補を担ぐ与党陣営がすっかり浮き足立ち、決選投票での勝ち馬になりそうな候補に乗るために、セーラ候補の方に向かって、雪崩現象が起きることも充分に考慮の中に入れておく必要があると考えます。

■今年の大統領選挙をこう考える=赤嶺 尚由(ソール・ナッセンテ人材銀行代表)=連載第1回

■今年の大統領選挙をこう考える=ソールナッセンテ人材銀行代表=赤嶺 尚由=連載第2回

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