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小南みよ子さん

2006年2月24日(金)

 小南みよ子さん(財・国際女子研修センター理事長、神奈川県茅ヶ崎市富士見9―39)が、去る十八日、死去した。九十六歳、福島県若松市出身、日本女子大学卒。五四年、夫の小南清氏とともに、私財を投じ、センターの前身・海外移住婦人ホームを設立、海外の移住青年に花嫁を世話する事業を始めた。三百七十人の花嫁を送り出した実績がある。いつも和服で通した〃明治の女〃は、一徹で、青年に女性を世話する際、手を抜かなかった。十分に調べ、青年と花嫁候補に対して親身だった。日本では、集団見合いの場を設けたり、ブラジルでは現地に青年を訪ねたり、労を惜しまなかった。海外移住独身青年および花嫁たちの〃母〃は、その文字どおりだった。花嫁を送り出す時代が終わったあとは、その娘にあたる世代を日本に招き、「よき日本の躾」を身につけさせる事業を遂行した。九八年、自宅で階段から落ちて脊髄を損傷、寝たきりになっていた。八〇年勲五等宝冠章、八五年吉川英治文化賞、神奈川県文化賞を受賞。

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