ホーム | 日系社会ニュース | いま、アマゾンフルーツの〃本場〃=トメアスー農協=大規模冷凍倉庫建てる=需要に生産追いつかぬ=ピメンタの売上げ上回る

いま、アマゾンフルーツの〃本場〃=トメアスー農協=大規模冷凍倉庫建てる=需要に生産追いつかぬ=ピメンタの売上げ上回る

2006年3月4日(土)

 トメアスー農業協同組合(坂口フランシスコ理事長)は、先月八日、冷凍倉庫のイナウグラソンを行った。フランシスコ・エウジッシ・ロドリゲス郡長など約百五十人が参加。同倉庫は去年四月から建設工事を開始した。約千トン分の果物などを保存できる。当日、会場ではアマゾンフルーツ、ジュースなどが振舞われ、来場者を喜ばせた。
 同農協の敷地面積は約十三ヘクタール。生産量が去年から大幅に増えたこともあり、従来のものよりも保存量が多い冷凍倉庫を建設することになった。今後は、古い建物を修理するなどして、冷凍倉庫の増設も視野に入れている。
 温度はマイナス二十二度から二十三度。果物はもちろん、加工した冷凍フルーツパックを主に保存する。これらは果物の果肉、果汁を五度に冷やしたあとパックしたもの。主にミキサーでジュースにするなどして飲用されている。
 トメアスーはピメンタで栄えた地。現在はそれよりも果物の売上高の方がはるかに上回っている。販売量は国内だけでも約二千トン。農協の売上高は六割を占める。その中でも特にアサイの生産量は多く、年間八百トンから九百トン。その他には、クプアスー、マラクジャー、タペレバなどのアマゾンフルーツ約十四種類を製造している。
 日本へはアサイ、アセロラ、ゴイアバなどの冷凍パックを輸出。対日輸出は、ブラジル国内では同農協だけ。そのほかでは、アメリカでもアサイの需要が伸びているという。
 冷凍パック以外にも、ジャムなどの新製品も試作中。坂口理事長は「需要はあるが、肝心の原料の生産が追いついていない状況。原料の栽培増加が課題」とし、「ヨーロッパにも販売網を拡大したい。〇七年にはヨーロッパ全体で二百トンのフルーツパックを売りたい」と意気込みを話した。

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