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「憩の園」に資料室設置へ=若い世代に原点見せたい=両陛下ご下賜の壺も公開

2006年3月8日(水)

 救済会(左近寿一会長)が近く、創立者の一人、故渡辺トミ・マルガリーダさんの遺品や皇室から贈られた記念品などを集めた資料室の設置に着手する。四~五年前から、構想を温めてきたもの。グアルーリョス市の憩の園内にある、作業室の一部を資料室用に改装する。既に、約三万レアルの予算をとった。
 同会では理事や職員の世代交代が進行。今年の定期総会で、吉岡黎明第一副会長が会長に就任する見込み。シャッパが承認されれば、初の二世会長になる。事務局内でも、既に使用言語はポルトガル語が主流になっているのが現状だ。
 若手に会の原点をしっかり認識してもらおうと、古参の一世役員らが資料室の開設を検討してきた。
 渡辺さんの日用品などを展示するほか、写真を多用し、視覚に訴えるような内容にしたいという。一部にはポルトガル語の説明書を加えることも考慮しているところだ。
 大浦文雄常任理事は「日系老人ホームで、天皇陛下が訪問してくださったのは憩の園だけです」と誇らしく思う。現天皇陛下が皇太子時代を含めて二度、紀宮様が一度、同園をご訪問された。
 その時に寄贈を受けた、菊の紋章入りの壷などが施設内に保管されている。このような記念品も公開していく予定だ。
 同常任理事は「壷の存在を知らない、関係者もいる。救済会が歩んできた道を若い人に理解してもらうことができれば」と話している。

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