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■【記者の目】■〃質〃の高い評議員選べ

ニッケイ新聞 2009年2月6日付け

 六回の評議員会全てに出席しているのは、小山昭朗、小川彰夫、頃末アンドレ(2)、中沢宏一(2)、松永久美子(1)山下リジア、林まどか(1)、尾崎守、尾西貞夫、小賀誠二(5)、和田忠義、樋口トモ子(2)、菊地義治、トッパン印刷(1)、ソール・ナセンテ、大和商事(6)の十六個人、会社だ。()内は委任状。
 出席率だけで文協への思いを計ろうとするのは少々乱暴かも知れないが、少なくとも会員投票により選ばれたという「責任感の度合い」を表していると見ていいのではないか。
 福島県人会は、〇七年四月に委任状を出したのみ、それ以降は全て欠席している。
 その理由を小島友四郎会長に聞くと、「えっ、評議員になってるの?」という反応が返ってきた。県人会の中でも評議員の認識はなく、「今度の選挙に出ることは考えていないけど…頼まれれば分からないね」。
 一方、遠方のレジストロ文協は四回出席、ノロエステ連合は出席こそしていないものの、四回委任状を提出、文協の運営に関心が高いことを示し、距離は大きな問題ではないだろう。
 消極的な姿勢の評議員の存在は、文協の運営・方向性を与党である現体制文協に委ねることになりかねない。
 意識をもった〃質の高い〃野党評議員がいてこそ自然な状態であり、会員は立候補者の姿勢を見極め、投票すべきだ。
 前回の評議員選挙は、初めてということもあってか、名前が知られている立候補者を選ぶ〃人気投票〃になってしまった感がある。
 最多票を得た高木ラウル氏が理事会選挙に担ぎ出される背景ともなり、選挙を混乱させてしまったことは記憶に新しい。
 現在、聖南西、リベイラ、モジなど、力を持った地方連合が百周年を機に連携を強めている。  これらを束ねることこそが文協の役割であり、七割の日系人が集中するサンパウロのコロニアの総力を結集させてこそ、日系のルーツや文化を二百年祭に残す地盤作りとなる。
 潰えたUNEN、文協フォーラムの例を挙げるまでもなく、コロニアの希求としてあった日系団体の連携の端緒を開くのが、今回の選挙にあることを文協の会員は深く認識してほしい。 (剛)

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