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サンパウロ州政府=鳥居たて盛大に祝う=19日にチエテ川事業式典

2006年3月18日(土)

 国際協力銀行(JBIC=本店・東京)の融資により進められていたチエテ川流域環境改善事業が完了したことを祝い、日本政府や日本移民への感謝の意味も込め、サンパウロ州水資源・エネルギー局(DAEE)が十九日に記念式典を開催する。
 式典会場はマジナル・チエテとピニェイロスの交差点(セボロン)の下にある、DAEEの工事事務所付近。
 チエテ川事業は、流域の環境改善と、川底の浚渫による洪水防止を目的としたもの。JBICから約五百億円の円借款を受け実施された。工事は今年一月に終了した。
 チエテ川とピニェイロス川の合流地点に作られた人工島は、日本政府の協力を記念して「Ilha do Japao(日本島)」と名付けられることが決まっている。このたびの式典に際して、州政府から要請があり、ブラジル日本都道府県人会連合会(中沢宏一会長)が中心となって協力することになった。
 「日本島」は、広さ約二千五百㎡の台地状の島。コロニアからは、昨年九月に県連と戦後移住者協会、百周年祭典協会などが中心となって島への植樹を行っている。県連は今回の式典参加にあたって、仮設の鳥居(高さ四メートル)を設置するなど、島の飾り付けに奔走中だ。
 式典当日は鳥居のほか、十本の竹を立て、福岡、福島両県人会や個人の協力による五十旒(りゅう)の鯉のぼりを泳がせる。さらに四十七都道府県の印が入ったノボリをコンクリートの岸壁にたらす。さらに和太鼓の演奏も準備している。
 昨年島に植えられた木は、桜五十四本、イッペー四本、いちょう一本。中沢会長は「さっそく咲いている桜もありますよ。肥料がいいのかとてもよく伸びている」と嬉しそうに報告する。大株の状態で植えたものもあるため、八月には満開になる桜もあるという。
 県連では、島の整備を百周年事業の一環として取り組む姿勢を見せている。州側でも二〇〇八年をめどに陸地と島をつなぐ歩道を設置する計画で、完成後は歩いて島へ渡ることが可能になるという。
 昨年二月に森田嘉彦JBIC副総裁が来伯したとき、マウロ・アルセ州エネルギー局長は「桜を百周年に合わせて植える」と約束。その時にアウキミン州知事は、「日本人は一世紀にわたり、ブラジルとサンパウロの発展に貢献してきた。〇八年には百周年を迎える。今日でもJBICは三つの大きな事業に融資してくれている」とコメントしていた。
 当日は午前中に事業終了の記念碑除幕などを行う。セボロンでの式典が始まるのは正午前後になる見通しだ。今週大統領候補に選ばれたばかりの同知事も出席する予定で、日本政府機関からも関係者が出席する。県連では、当日無料バスを出して式典に参加する。
 バスは午前八時半に文協前を出発。会場では、午前十時から、南米神宮による祈願式を行う予定だ。「みんなで盛大に祝いましょう」と中沢会長は呼びかけている。
 車で会場に向かう場合は、カステロブランコ街道のウルチモ・サイーダからマジナル・ピニェイロスに入り、左側を走って会場敷地に入る。

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