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伯貯蓄銀が日本上陸へ=送金狙い磐田信金と提携

2006年3月29日(水)

 年間二十億ドルのデカセギ送金を狙って、ブラジルの銀行が続々と日本に上陸している。ブラジル連邦貯蓄銀行(Caixa Economica Federal=以下、貯蓄銀)は二十七日、静岡県磐田市の磐田信用金庫(高木昭三理事長)の本店で業務協定の調印式を行った。二十八日付け中日新聞は「国内の信用金庫が外国の銀行と提携するのは国内初」と報じた。
 この提携により、同信金から貯蓄銀向けの海外送金を五月ごろから開始し、通常の一回あたりの手数料四千~四千五百円を大幅に引き下げることを検討している。同銀本部にポ語の話せる職員をおき、支店を訪れた客と電話を通じて対応するという。
 同信金は、デカセギが集中する浜松市や磐田市などに全三十三支店をもつ。静岡新聞によれば、高木理事長は「送金業務の開始を機に、ローン商品の開発など、在住ブラジル人の生活向上のお役に立てれば」とあいさつ。今後はローンを中心に金融商品の開発・販売、公共料金の自動振替などのサービスに取り組むという。
 当日は、貯蓄銀のファビオ・レンザ副頭取も訪日し、両行庫関係者ら約二十人が出席した。
 これを報じたヴァロール・オンライン版によれば、同信金には約五千人のブラジル人が口座を持っている。将来的には、信金の〃中央銀行〃ともいえる信金中央金庫と提携することにより、日本全国にある会員二百九十八信金との業務提携を目指している。
 貯蓄銀は今年中に浜松に出張所を設置することを予定しているが、同地にはすでにブラジル銀行、スダメリス銀行なども出店していることから、デカセギ送金獲得競争に拍車がかかるとみられている。その他、ブラデスコ銀行は東京三菱UFJ銀行と提携、サンタンデル・バネスパ、イタウー銀行も日本に進出している。今回の提携は六行目となる。
 昨年、貯蓄銀はポルトガルの銀行ミレニアムbcpと同様の提携を結び、同行が支店網を持つポルトガルと米国からの送金を容易にした。この四月には、BID(米州開銀)の多国間投資基金と提携し、北米マサチューセッツ州に住むミナス州ゴベルナドール・バラダーレス出身者への援助を手始めとした北米在住ブラジル人向けの金融サービス展開を計画している。

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