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実行委員長に加藤氏=県連日本祭り=溝埋まらず第9回突入=焦点は次期会長人事へ

2006年4月4日(火)

 ブラジル日本都道府県人会連合会は三十一日、宮城県人会館で代表者会議を開き、今年の第九回フェスティバル・ド・ジャポン(日本祭り)実行委員長に鳥取県人会の加藤恵久会長を選出した。会議では中沢会長を委員長に推す声もあったが、反対意見に押し切られる形で加藤氏の就任が決定。委員長不在で準備を進めてきた今年度フェスティバルだが、今回の決定でようやく体制作りが本格化に向かう。この日は、定期総会を四月二十日に開催することも確認。今後の焦点は次期執行部選出に向けた動きに移る。一方、未承認が続く昨年の収支問題では、今回も執行部と監査の歩み寄りは見られず。こちらは出口が見えないままだ。

中沢会長が退任あいさつ

 定期総会前に開かれるものとしてはおそらく最後となる、今回の代表者会議。冒頭、事務局報告に続き、今期で退任する中沢宏一会長が退任のあいさつを述べた。
 実行委員長不在で準備が進められてきた第九回フェスティバル・ド・ジャポン。今回加藤・鳥取会長が選出され、ようやく一歩前進を見た。
 当初は大橋皖吾・北海道会長、国井精・山形副会長から、中沢現会長を実行委員長に推す声が出された。推薦の理由としては、長年フェスティバルに携わってきた経験や実行力、また新しい委員長の下では開催までの期間が短いことなどが挙げられた。
 これに対して中沢氏の委員長就任に反対する意見は、その行動力を認めつつも、第八回の会計が終わらない状態でその執行部代表が就任することに疑問を呈するもの。
 反対意見を述べた松尾治・福岡会長、大西博巳・広島会長は、コチア産組で蔬菜果実部長を務めた実績を挙げて加藤会長を推薦。加藤氏も「県人会長の皆さんの協力があれば」と前向きな意向を見せた。
 中沢氏は「皆さんの考えに従う」と発言。その後、拍手による承認で加藤氏が委員長に選出された。
 加藤委員長は就任あいさつで、中沢会長に対し「相談役として一緒にやってほしい」と呼びかけた。
 これまで中沢会長ら執行部を中心に進められてきた第九回の準備は、新体制に引き継がれることになる。あわせて会計も決めるべきとする意見が出されたが、この日の選出は見送られた。
 二週にわたっての開催に加え、今年のフェスティバルでは県連創立四十周年の式典も予定されている。開催まで約三カ月。「中沢委員長」に疑問を呈した出席者からも、県連全体の協力の必要性が強調された。
 しかし、執行部と反執行部の間の溝が埋まったとは言いがたい。対立の原因となった第八回フェスティバルの会計は、今回の会議でも解決には至らなかった。

出口見えない会計問題

 未承認が続く昨年度フェスティバルの収支報告問題。開催から八カ月以上が過ぎたが、いまだに解決の糸口はつかめていない。
 今会議でもこの問題が取り上げられた。会計書類の不備を指摘する監査役。執行部は監査役の要請に対応している現状を説明した上で、改めて両者の話し合いの必要性を強調した。しかし両者の姿勢に歩み寄りは見られず、今回も承認されることはなかった。
 定期総会までに、もう一度執行部と監査役との会合が開かれる見通しだが、そこで解決するかどうかは不透明なまま。第八回の収支が終わらないまま今年度フェスティバルになだれ込む可能性も出てきた。

定期総会は4月20日に

 また、この日の会議では、開催日の決まっていなかった定期総会を四月二十日に開くことを確認した。第一次召集が午後三時半、第二次召集は午後四時。
 執行部から選挙管理委員候補として七人の相談役の名が挙げられた。中村勲(福岡)、小森廣(鹿児島)、多良間俊彦(東京)、宮城調智(沖縄)、菊地義治(岩手)、桜井仁(福島)、西徹(三重)。以上の七人から五人の委員が選出される。

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