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救済会=左近さんから吉岡会長へ=在日協力会も入会者募集

2006年4月8日(土)

 「華やかなパーッとしたことは考えちゃダメ。地味な積み重ねが運営に反映していく」。会長交代のあいさつに来社した救済会の左近寿一(82、和歌山)前会長はしみじみ語る。「ドナ・マルガリーダの隣人愛の精神が全ての職員にいきわたっている」。八〇年からの理事で、この四年間は会長職を全うした。
 三月十八日の定期総会で新会長に選ばれた吉岡黎明さん(69、二世)もすでに二十年ぐらい理事を続けている。就任最初の大仕事は、憩の園敷地内に一千百平米のイベント会場を建設することだ。「雨が降ってもイベントができるようにしたい」。
 最近、地元住民から結婚式、卒業式などで場所を使わせてほしいとの要請が多いことも建設理由の一つだ。「地域社会と仲良くすることが防犯にもつながる」と左近さん。
 経営は常に厳しい。収入の三〇%は在園者家族が払う費用、三〇%が会費、バザーやリッファなどのイベント収入が二五%、残り一五%は寄付に頼っている。
 左近さんは「年末になると一世の人が、わざわざバスに乗って七~八百レアルの寄付を持ってきてくれる。本当に義理堅い。これが救済会が続いてきた原動力です」と述懐する。
 入園者は約九十人弱(平均年齢八十六歳)。特養ホームへの入居希望者が列をなしている状態だ。会員は千四百人。会費に定額はないが、一般的には月に十レアル以上払ってくれているという。
 日本にも在日協力会(会長=賀陽治憲元ブラジル大使)があり二百五十人が参加し、年に一口二千円を会費として支払っている。この五月十三日に創立十周年の記念懇親会を東京のニコラバレ修道院(JR四ッ谷駅前麹町口)で行う。吉岡会長も出席予定。十月には「ブラジル憩の園訪問と南米の景勝地を歩くツアー」も企画している。渋谷まさみ事務局長が随時、問い合わせや入会希望者を受付けている。同会事務局(03・5387・6302、09mshibuya@jcom.home.ne.jp)まで連絡を。

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