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東洋街すずらん灯改修へ=予算ついたが、作り手いない=「日本式」維持にこだわる=福井CONSEG会長ら

2006年4月21日(金)

 リベルダーデ区公安市民協議会(=CONSEG、福井ニュートン会長)の会議が十八日夜、東洋会館であり、すずらん灯の改修についてサンパウロ市セー地区の代表者らに協力を求めた。老朽化や破損が目立ち、景観を損なっているため。宮城仙台七夕祭りまでに最低でも、鳥居からリベルダーデ広場のマクドナルド店まで整備したいところだ。予算の問題のほか、同じ型の街灯を製造・販売できる業者が見当たらないため、関係者らは頭を痛めている。中国型の街灯なら、手に入れられるとの声もあった。日本人がつくった街だから、あくまで同型のすずらん灯にこだわっていく考え。
 すずらん灯は一九七三年に常設され、東洋人街に四百三十本、計千二百九十個のランプがついている。大型トラックが駐車する時などに衝突。ランプが割れたり、柱が傾くなど破損がひどい。
 七夕祭りを七月一、二日に控えて、同協議会は改修に乗り出す考えだ。中国の春節に対する、ライバル意識も背景にはあるよう。「七夕を春節よりも、きれいなものにしたい」と、福井会長はいう。
 この日はウイリアム・ウー市議、マリア・セシリアさん(アンドレ・マタラーゾ区長秘書)などが出席した。
 市は今年、すずらん灯の改修・維持に五十万レアルの予算を計上している。一本当たりにすると、約千百六十レアル。
 「五十万レアルはもちろん、大きな額です。ランプを取り替えて、塗装するとやっぱりきついのでは」と、福井会長も厳しい表情を浮かべる。
 もっとも懸念しているのは、すずらん灯の作り手。廉価な中国式を販売している業者が存在しているものの、すずらん灯そのものを製造する(した)業者が分かっていないのが実状。
 同会長は「絶対に日本式にしないとダメ。セー地区の代表者にも同様の型をつくるよう、いろいろ調査してほしいと念を押しました」と熱情を込めて語る。
 七夕祭りまで時間が限られているため、同協議会は鳥居から、マクドナルド店までを整備していきたいところだ。「リベルダーデ区を活性化。サンパウロ市の冬の風物詩もみんなで、盛り上げていきたい」と話している。

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