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樹の会=「大きな花」は咲くか=出席30人、寂しい事務所開き

2006年4月25日(火)

 今年二月に二十六人の発起人を中心に発会した「樹の会」の事務所開きが二十日午後七時半から、サンパウロ市リベルダーデ大通り486/810で行われ、同ビルにある宮崎県人会で記念パーティーが開かれた。約三十人の賛同者が集まった。
 発起人で中心メンバーの一人、徳力啓三が司会に立ち、「やっとこさ事務所を立ち上げることができた」と安堵の表情を見せた。
 諸川有朋氏がポルトガル語、佐藤八朗氏が日本語でそれぞれあいさつ。会発足の経緯を述べた。
 両氏の説明によれば、昨年十一月から同年の文協選挙に立候補した谷シャッパのメンバーを中心に毎週木曜日に集まり、「日系社会の活性化、実現性のある百周年事業の選択、検討」のため、会合を重ねてきたという。
 百周年祭典協会の選挙も見据えていたが、同協会の選挙法改正により、無理と判断したことも明らかにした。
 「同協会にどう協力できるかを考えたい。他団体との合併もありえる」と話し、「コロニアの意見のまとめ役」として非活動的な団体を統括する考えも示した。
 発起人の一人で彫刻家の豊田豊氏が自分の経歴と作品に対する姿勢などを説明、同会が計画している「残り日数表示タワー」の模型を見せながら、「タイムカプセルなどを埋めたら」と独自のアイデアを披露。
 続けて、「樹の会が伸びて大きく花が咲くように」と乾杯の音頭を取った。

   三百人に招待状

 日系社会を理想的な形にする――(樹の会設立趣意書)。百周年に対する意見をまとめ、日本文化継承、人材育成までをその目的に掲げた「樹の会」の実質的スタートといえる事務所開きに出席したのは三十人に満たなかった。
 二十六人の発起人のうち六人が訪日、三人が病気のため欠席。半数の十三人が事務所開きを祝った。
 事務所開設に奔走した徳力氏によれば、約三百人に対し、一週間前に招待状を出したようだが、「郵便事情の悪さ」などからそのほとんどが届いていない状況だという。
 なお、同時間に県連総会などが重なったことから、出席者がさらに減ったと見られる。
 現在、樹の会の会員は、発起人二十六人を含む三十三人が登録されている。

   今後の予定は――

 来月二十一日には、創立総会を行い、代表者や役員の選任などの組織固めを行う予定だ。なお、現在検討されている計画案は以下の通り。
 リベルダーデ広場と文協前庭の二カ所に各一基、〇八年六月十八日までの日数を表示する「残り日数表示タワー」を建設する。
 百周年事業の広報のため、百周年ロゴマーク入りTシャツ、ステッカーなどを各地の日系人団体を通し、頒布、販売する「キャンペーングッズ販売活動」を行う。
 会員親睦と会の目的を知らせる「シュラスコ大会」、百周年シンポジウム、記念芸能祭の開催も視野に入れている。
 なお、同会では賛同者を募っており、関係者は「広く意見も聞きたい」と話している。
 詳しくは「樹の会」事務局(電話=11・3209・0114)まで。

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