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コラム 樹海

 最近の邦字紙には「日本のODA」や「円借款」とかの記事が目立つ。総領事館ベ―スでは慈善団体などへの「無償援助」もあるし、これはこれで大いに喜ばしい。あのチエテ川の改修や地下鉄工事への円借款もだけれども、こうした支援や援助ばかりを見ていると、日本は大金持ちと想い勝ちである。ところが―日本政府は世界でも有数の借金大国なのを知らない人が多い▼俄かには信じ難いが日本政府は800兆円を超す借金を抱えて青息吐息気なのである。正確な「国の借金」は、813兆1830億円であり、庶民にとっては天文学的な数字に達する。国の予算が80兆円ほどだから10年分を借財しているのが実体なのである。これを国民一人あたりで見ると、生まれたばかりの赤ちゃんから100歳を越える高齢者までを含め636万6000円の借金になる▼つまり―日本の金庫は火の車で決して「豊かな国」ではない。財政事情は厳しく、政府が公務員の削減や「小さな政府」を掲げているのも、借金からの脱却を目指しているからに他ならない。国は国債を発行し国民に買ってもらい借金するのだが、利子も払う。これが800兆円超となると、利子金額だけでも巨額で借金は膨らむ▼この悪循環を是正しようと政治家らは動くけれども、ここでも官僚の抵抗は強い。東京の一等地にある公務員宿舎を売却しようとすると、お役人は反対する。財政再建の総論には賛成なのだが個々の問題となると議論ばかりの花が咲く。と、云ってこのまま放置しておけば「ニッポン破産」になりかねないし―答えは難しい。     (遯)

06/04/25

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