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茶道に似合うレジストロ文協会館=裏千家全伯地区大会=3州から150人=和菓子日本から取り寄せ=カナネイア観光も楽しむ

2006年5月3日(水)

 茶道裏千家ブラジルセンター(林宗慶代表)主催の第三十五回全伯地区大会が去る四月二十三日正午から、レジストロ文協会館で行われた。百五十人が参会し、盛会だった。川尻誠さんの司会で、林代表の挨拶、レジストロ地区に貢献のあった故武田宗芳氏の長女武田宗清さんから文協茶道部に茶道具の贈呈が行われた。カワモト・サチ・イネス副市長、高橋国彦文協会長、松藤良光裏千家レジストロ地区長の挨拶が続き、茶会が始まった。
 地元レジストロ席は、春秋棚に茶花蘭の小花をいけた席、ジャンジーラは染付の皆具に『あまつかぜ』と出口紅大本教主の短冊が朱傘に飾られた立礼席。パラナ席(ロンドリーナ、クリチーバ)は、茶箱席で〃卯の花〃や〃花〃の手前が行われた三畳席。サンパウロ席は『一葦五葉に開く』の墨蹟に、金襴手の水指に加寿美棚が置かれた八畳席。地元のきれいな畳が敷き詰められた茶席ができていた。
 また流木の結界がひときわ目立っており、和菓子は日本から取り寄せた鶴屋吉信の「花雅」が使われ、流水に桜花の散る様子が日本情緒をかもし出していた。点心席は柳生てるえさんをはじめ、婦人会の協力で讃岐うどん風点心で、えびや揚げ物、野菜の煮物、にぎり寿司、口取の白豆などが出され、冷麦茶も呈茶された。和気あいあいのうちに茶会は終了した。
 サンパウロから参加した一行は、前日、カナネイアに行き、カルドーゾ島への三時間の遊覧やカキ料理の夕食をとった。午前中はレジストロの移民資料館やリベイラ川水難犠牲者追悼碑、大鳥居、大竹富江女史制作のモヌメント「グアラクイの花」を見学。茶会終了後は茶畑にも寄って、大いに意義ある地区大会となった。盛会裡に終わったことを喜び合い、散会した。全体の調整役は西村宗香、池田宗美さんがつとめた。 
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 [レジストロ]第三十五回茶道裏千家全伯地区大会が、四月二十三日正午から午後三時まで、当地文協会館で催された。
 ロンドリーナ、クリチーバ、アラサツーバ、インダイアツーバ、リオデジャネイロ、ジャンジーラ、サンパウロから、約六十人が参加、地元参加者はおよそ九十人、大会は盛り上がった。
 新しい日本風建築の会館、青畳、屏風、花と「茶の湯」にふさわしい環境が整っていた。初心者も茶道の雰囲気のすばらしさを感じ取ったようすだった。
 松藤良光裏千家レジストロ地区長(大会実行委員長)は「みなさん、喜んで帰られた。大会は大成功だった。これを機に、茶道に関心を持つ人が増えることを願っている」と総括した。
 サンパウロからの一行は、カナネイア観光でエスクーナに乗り、のどかな美しい大自然を満喫した。イルカの群れがエスクーナに沿って泳ぐ姿は壮観だった。(この項、金子国栄さん通信)

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