ホーム | 日系社会ニュース | 100周年は「日本全体で応援」=中川農水大臣=北海道協会で歓迎会=日系団体代表らと懇談=小泉首相から伝言=「2年前はお世話になりました」

100周年は「日本全体で応援」=中川農水大臣=北海道協会で歓迎会=日系団体代表らと懇談=小泉首相から伝言=「2年前はお世話になりました」

2006年5月4日(木)

 「二年前はお世話になりました。日系社会のみなさんによろしく伝えてください」。三日朝六時に着聖したばかりの中川昭一農林水産大臣は、そう小泉純一郎首相が伝言したと語った。正午からサンパウロ市内にあるブラジル北海道交流協会(大橋皖吾会長)の会館を訪れ、同協会主催の歓迎会に出席し、気軽に日系団体代表者との会話を交わした。「百周年にはできる限りの協力をしたい」と頼もしい言葉を寄せ、父親が小野田寛郎元少尉と意気投合した話を披露するなど、日系団体代表者ら約二十人は、気さくな人柄の同大臣との歓談を楽しんだ。
 歓迎会のあいさつにたった大橋会長は、八年ぶりとなる大臣来伯に、「会館まできていただいて感激です」と喜んだ。同協会から九人と文協の関根隆範副会長、県連の松尾治会長、援協の酒井清一会長ら日系団体代表や在聖総領事館から二十三人が出席した。
 大橋会長から会館を案内され、北海道出身の中川大臣は「立派な施設ですね」と感心していた。自分の父親も開拓農家だったと振り返り、「ブラジルにこられたみなさんも、さぞや大変なご苦労をされたと思う」と語った。
 二十五年ほど前に父親が来伯し、第二次大戦後フィリピン・ルバング島から三十年ぶりに帰還した小野田さんと会って意気投合し、感動して日本に帰ってきたとのエピソードを披露した。「父親は目を輝かせてその話をしてくれました」と思い出す。
 世界貿易機関(WTO)の新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)に関する意見交換をするため、ジュネーブからパリ経由で到着したばかり。連日、各国代表者との交渉をする厳しいスケジュールだ。大臣を入れ、一行は十一人。
 早朝、大橋会長らに出迎えられ、どさんこ話に花が咲いた。「飛行機に乗って北海道に帰ってきたみたいな気分になった」と会場を笑わせた。
 小泉首相は〇四年九月に訪伯した後、「ブラジルでは感動した、を連発していました」と報告する。「すばらしい出張旅行ができたと言っていました。今回ブラジルに行くと総理に報告したら、『二年前にお世話になったから、全日系人のみなさんに、くれぐれもよろしくお伝えしておいてくれ』と伝言を頼まれました」という。
 さらに、二年後に迫った百年祭に関して、「日本全体として応援したい。私もできる限り力になりたい」とエールを送った。
 歓迎会のあと、イビラプエラ公園の先没者慰霊碑を参拝、移民史料館を視察。「日系社会の歴史に触れ、移住者のみなさんの活躍ぶりを今日一日勉強させてもらう。日本に残っているものがしっかりしなければ、との決意で帰りたい」との意気込みを述べた。
 同協会婦人部はまなす会(水野誠子会長)や木下利雄副会長らが用意したフェイジョアーダ、鮭の塩焼き、なすびのみそ焼きなどを食べ、楽しく歓談した。
 四日はブラジリアでルーラ大統領表敬、フルラン開発商工大臣と会談、翌五日にはプラドポリス市のサンマルチーニョ精糖・エタノール工場を視察、ロドリゲス農務大臣と会談し、帰路に着く予定。

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