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南パラナもふるさと=県連6日間の旅=連載(2)=コチア解散以来の再会も=山越え列車でモレッテスへ

2006年5月19日(金)

 第二十五回移民のふるさと巡り一行は、クリチーバ文化援護協会ヴェラ―バ本部会館で、着物姿の山城美幸さん(15)と明菜さん(17)に出迎えられた。二人は、三味線、民謡、日本舞踊をこなす正に「日本的な」日系四世だ。
 五日夜の交歓夕食会には、クリチーバ側から八十人前後の人が参加し、総勢二百人が集った。同協会婦人会の用意した料理でおなかをふくらませると、壇上では、美幸さん、明菜さんの弾き唄い、若葉学校の生徒による太鼓の演奏が披露される。総勢二十名ほどの三世、四世による歓迎の舞台に、参加者は食い入るように見入っていた。
 「協会の活動は、日本文化、書道や花、武道、カラオケと、テニス、野球、ゲートボールなどあらゆる分野に及びます。日本語講座の開設や学生寮の運営もしています」と会長。ボランティアの医師で年に四回、無料診断も行っている。
 舞台前では、九四歳の河合五十一さん(愛知県、ミナス州イタジュバ在住)が縄跳びを披露。「若い頃から、運動と食事に気を配って、老後を楽しむために酒とタバコはやらない」と健康そのものだ。昨年は母県で開催された愛・地球博にも足を伸ばした。
 また、旧友との再会もあった。吉泉美和子さんと本多俊子さん(クリチーバ在住)は振り返ったら相手がそこにいたと、偶然を喜ぶ。主人同士がコチア青年として同船者だったために二人は婦人会で知り合い、コチアの解散以後連絡もなくなっていたという。
 「十五年か二十年ぶりよね」と昔話に花が咲く。お互いに連絡先を交換して「また手紙書きますよ」。 こういう不意をつく感激があると、ふるさと巡りが一層思い出深いものとなる。午後十時過ぎ、恒例の「ふるさと」を合唱して、一行は別れを惜しみつつバスに乗り込んだ。
   ◎    ◎   
 六日朝五時半。部屋にモーニングコールが鳴る。まだ外はうす暗いころ。七時出発だが、六時半にはロビーは参加者でいっぱいになっていた。
 ポーッと汽笛が響いた。一行は、クリチーバとパラナグアを結ぶ山越えの観光列車でモレッテスに向かう。「この路線は単線で、港へ穀物を運ぶ貨物が通るので、列車は途中よく止まります。なので、時間が遅れるのはしょっちゅうです」。ガイドの説明に「もう出発時間から遅れてるよー」との声が飛ぶ。
 八時四十分になろうかというころ。ガタガタと揺れながら、一行が乗った列車はゆっくりと駅を出る。
 この路線は、一八八五年ペドロ二世の帝国時代に、九千人の労働者を使って四、五年で建設された。百五〇キロの行程に十三のトンネルと六十七の架橋がある。多種多様な動植物は二千種以上と、アマゾンにも負けない生態系を誇る山間を、片側は岩肌、もう片側は谷という見晴らしで列車は走る。
 世界一困難なところにあるといわれる「悪魔のカーブ」を通り、遥か眼下に広がる緑の森を見下ろしながら、一行は汽車での旅を満喫した。
 一時間遅れて、十二時過ぎに到着したモレッテス駅では、産物であるバナナのカシャッサやショウガの飴が売られている。参加者は待ち構えていたバスに乗り込むと、二つ目のふるさと、パラナグアへ出発した。(つづく、稲垣英希子記者)

■南パラナもふるさと=県連6日間の旅=連載(1)=110人でめぐる〝環境の町〟=市内には入植記念の日本公園=クリチーバ

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