ホーム | 日系社会ニュース | 日伯柔道=マリンガで記念試合=ブラジル選手、力向上見せる

日伯柔道=マリンガで記念試合=ブラジル選手、力向上見せる

2006年5月23日(火)

 来伯した日本柔道選手団(斉藤仁代表監督)が、十三日午前九時から、パラナ州マリンガ市のチコ・ネット体育館でブラジル代表との記念国際試合を行った。
 会場には三千人の観客が集まり、試合は七階級それぞれの代表から構成されたA、B各チームによる団体戦形式で行われた。Aチームは3対4でブラジルAの勝利、Bチームは3対1で日本Bの勝利という結果に終わった。
 国内各紙はブラジルチームの勝利を「歴史的な快挙」として大々的に取り上げたが、オリンピック・メダリストで、ブラジル柔道に大きく貢献している石井千秋さんは、「公式戦やオリンピックでなら、また違う結果になるだろう」と冷静に分析している。
 「日本選手は到着当日から朝、夜の稽古続きで、万全の状態ではなかった」のに加え、ブラジル選手の勝利は「指導」などの僅差、日本選手は一本勝ちしている。また「練習を重ねる中で手の内を知られていて、ブラジル選手が守りに徹したのに対し、日本選手はよく攻め続けていた」と解説した。
 ただ、ブラジル選手のレベルも「それなりになってきた」として、「今回の勝利でブラジルはいい自信を持った」と石井さんは見ている。
 アジェンシア・プラカールによると、去年の世界選手権で金メダルを取得し、今回秋本啓之選手に有効勝ちしたジョアン・デルリー選手は、「これまでの成果が出た。ブラジル勢には世界大会に向けていいはずみがついた」と話した。
 総勢二十人もの本格的な日本選手団が来伯するのは、初めてであり、ブラジル選手は日本を代表する選手たちと一緒に練習できたことを感激していた。
 また、日本選手団も「ブラジルで柔道が盛んで、熱心に練習していることに驚きと喜びを感じていた」という。
 日本柔道選手団は、十三日にリオに移動し、練習を続けた。十八日には、〇七年九月の世界選手権大会の会場となるパン・アメリカン運動複合センターを視察。二十日に帰路についた。

image_print