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バストスの空に鯉が舞う=高知県民の好意あつまる=7月、「卵祭り」の会場で

2006年5月31日(水)

 【既報関連】サンパウロ州バストスで毎年開催されている伝統行事「卵祭り」で鯉のぼりを揚げようと、同地に派遣されているJICA青年ボランティアの中村茂生さん(41、高知)が県交流協会などを通し母県に寄付に呼び掛けたところ、二十六日までに鯉のぼり百十二匹、五色の吹流し十八枚、矢車二セットなどが県民から寄せられた。
 よさこい祭りなどでも用いられるフラフ(大漁旗状で端午の節句などに揚げる)も三十二枚集まっており、「こんなに集まるなんて。協会の方の迅速な対応にも感謝している」とバストス商工会など関係者は高知の人たちの好意に感激しきりだ。
 バストス文協と高知県青年協力隊OB会が送料を負担、鯉のぼり二十八匹、フラフ四枚、吹流し五枚を航空便で郵送、七月の卵祭りでバストスの空を日本色に染め上げる。
 残りは『世界の笑顔のために』(日本国内で募集を行い、ボランティアを通じ、世界各地に届けるJICAのプログラム)で届けられる予定。
 今年四月の『日系フェスチ』開催後、日系色を強めるため、鯉のぼりを揚げることが提案され、中村さんが交流協会に相談したところ、とんとん拍子に話が進んだ。同協会は高知新聞などを通じ、県民に協力を呼び掛けていた。
 「県から寄贈者名簿が届き次第、何らかのお礼がしたい」と関係者は話しており、バストスと高知の懸け橋となった中村さんは、「これをきっかけにちょっとした交流が始まれば」と喜んでいる。

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