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 河野太郎・法務省副大臣が記者会見で、日系人受け入れは失敗だったと明言した▼この外国人労働者の受け入れに関するプロジェクトチームは、昨年暮れに起きた広島市安芸区の小学一年女児殺害事件の後、十二月末に発足した。ペルー人容疑者が日系三世の査証だったことから、日系人全体への締め付けへとつながった▼河野副大臣は「受け入れ準備をしないまま、血のつながりのみで受け入れたのは失敗だった」と指摘した。つまり、「日系だから信用できる時代ではなくなった」と言われたも同然だ▼九〇年代初頭のブーム初期には、日本語能力の高い、日本文化に親しんだ二世のデカセギが多かった。その層がお金を貯めて帰国。九〇年代後半、代わりに向かったのはよりコロニアから遠い層だった。バブル崩壊と共に日本の賃金は下がり、より低所得層が日本へ向かった。この層は日本語能力も低く、親から文化習慣を引き継いでいない▼九〇年後半から急激に犯罪が増えた。そういう人を日本が呼んだという言い方もできる。もちろん二世層が高齢化し、三世が主体になっただけとの意見もある▼デカセギの日本での受け入れは、日本からの移民の送り出しと表裏一体だ。かつて二十五万人がブラジルに渡り、その子孫がポロロッカのように日本へ向かっている。移民が日本語、日本文化を子孫に継承させようとしていた努力は、三世の多くまでは届かなかった▼いまからでも遅くはない。日本政府は、たんに日本での滞在条件を厳しくするだけでなく、海外における日系社会への文化継承支援も強化するのも筋ではないか。(深)

 06/06/01

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