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コラム 樹海

 もうたくさんのファンがいるだろう。歌手の中平マリコさん、および井上祐見さんと親しく会える季節の到来である。こんなふうに書けるのも、二人の言っていることとやっていることのお陰だ▼二人は「南米、ブラジルに来ると、みなさんから元気をもらえる(特にお年寄りから)」と言ってくれる。半分〃外交辞令〃と聞いても、こんな嬉しいことはない。祐見さんはキャンペーンツアー(今年、南米は八年目に入るというから驚きだ)の一環で訪問、マリコさんは移民慰問(今年はわざわざ母親と一緒に、すでに到着ずみ)――の傾向を色濃く見せるが、いずれにしても、二人がブラジルの水に適しているのは間違いない▼隔世の感、といえば陳腐だが、ブラジルには六〇年代の初めから八〇年代の半ばころまで、多くの有名歌手が来た。日本でのスケジュールが少し空いた頃の歌手たち、と言うと、若干語弊がある。ただ、そういう歌手をコロニアが迎えていたのは確かである▼しかも、商業ベースで来た。ブラジルのプロの興業屋が呼んだのである。「儲かるかもしれない」と。そうしたこととまったく異質ないのがマリコさん、祐見さんである。自発的に来伯して、ファンのために「歌ってくれる」▼二人は、毎回、レパートリーを南米、ブラジルのファンのために、増やして来る。だから、いっぱいの聴衆、観衆でステージを盛り上げるのが、答礼というものである。尤も、こんなことをいわなくても、いつもどこも満員であるが。(神)

  06/06/21

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