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■ひとマチ点描■おじいちゃんに恩返し

2006年6月29日(木)

 「僕のおじいちゃんはお父さんが子供の時に亡くなったから、僕は日系人としてまったく育てられなかった」と語るのは、ベロオリゾンテ市在住の江田グスターヴォさん(20)。
 日系二世の父親とイタリア系の母親を持つグスターヴォさん。父親が日本語を話さないというのは信じられないほど流暢な日本語を話す。
 日本人の血を継ぎながらも、家庭では日本文化に触れる機会がなかった。日本語を勉強し始めたのが6年前。2年前から三味線を習い始めた。ベロオリゾンテでは習う場所がないのでタウバテまで通っている。
 「亡くなったおじいちゃんを喜ばしてあげたいから日本文化を守っていきたい。とにかく日本文化に関わっていたいんだ。自分に日本人の血を分けてくれたおじいちゃんに恩返ししたい」と話すグスターヴォさんが興味を持つのは、日本語、柔道、民謡、三味線、尺八など全て「日本」に関係しているものばかり。
 現在は、青森で本格的に津軽三味線の修行を計画中。「日本の有名な先生方にメールを送り、やっと教えてくれる先生を見つけました」という。
 「日本へ行くなんて不可能だと思っていたのに、ここまで来たからあと一歩」と話すグスターヴォさんの目は真剣そのもの。
 目下の悩みは生活費と日本までの旅費。「遅くとも来年には行きたいね」(未来)

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