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ひとまち点描=高知からの贈り物

2006年7月1日(土)

 「ペイシ!ペイシ!」子供たちの歓声が響く――。バストスの伝統行事「卵祭り」で鯉のぼりを揚げようと高知出身のJICA青年ボランティア、中村茂生さんが母県の人たちに呼びかけたところ、先月、100匹以上の鯉のぼりが寄せられたことは既報の通り。
 今月開催される同祭に間に合わせようと、色彩豊かな鯉のぼり28匹、吹流し5枚、高知県ならではの「フラフ」(大漁旗状で鯉のぼりと共に揚げる)4枚が早速バストスに届けられ、関係者は県民の厚意に感激の面持ちを見せている。=写真=
 ある寄贈者の手紙も添えられていた。
 食料事情の厳しかった昭和27年、「元気に育って欲しい」と両親から長男に贈られた鯉のぼり。「孫にと思い、大事に取っておいたけれど、男の子は生まれませんでした。どうぞ南米の空に揚げてほしい」
 バストスの空に翻る〃友好の鯉〃は、「卵の門」と共に卵祭りの象徴となりそうだ。(剛)

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